

給料がなかなか上がらないし、副業も気になる…。でも職場にバレたり、問題になったりしなかな?
「本業の給料が上がらないなら、副業した方がいい?」
PT・OT・STとして働いていると、一度は考えるテーマではないでしょうか。
リハ職は資格と臨床経験を活かせるため、副業の選択肢は少なくありません。
ただし、勢いで始めるのはおすすめしません。
就業規則を確認せずに始めると、収入より先に職場とのトラブルが増える可能性があります。
私は経営管理部長として、スタッフの副業を判断する立場にいます。
一方で、私自身も本業とは別に外部でトレーナー活動を続けてきました。
実際に外の仕事を経験すると、本業だけでは見えなかった働き方や自分の市場価値が見えてきます。
この記事では、
- 副業を始める前に確認すること
- 職場に副業が伝わる仕組み
- 経営側が副業を見るポイント
- PT・OT・STに向いている副業
- 税金で注意したい「20万円」
を、経営側と副業経験者の両方の視点から解説します。

- 理学療法士として臨床経験15年以上
- 元リハ部長、現経営管理部長
- 多くの採用・昇進の評価をする側を経験
- 整形クリニック複数の経営に関与
- 自身も昇進・キャリアアップで年収アップを実現
- 論文を年間200本以上チェックし、正確な情報を発信
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副業を始める前に、就業規則を確認する

副業を考えたら、求人を探す前に勤務先の就業規則を確認してください。
見る場所は、
「服務規律」
「兼業・副業」
「他社での勤務」
などの項目です。
職場によって、
- 届け出れば副業できる
- 事前許可が必要
- 一定の条件で制限される
- 副業について記載がない
などルールが異なります。
民間企業では、副業そのものが法律で一律禁止されているわけではありません。
厚生労働省のモデル就業規則でも、勤務時間外の副業・兼業を認める形になっています。
一方、本業への支障や秘密情報の漏えい、競業などがある場合には、副業を制限できるとされています。
公務員として働いているPT・OT・STは別
公立病院などで地方公務員として勤務している場合は注意が必要です。
地方公務員法第38条では、原則として任命権者の許可なく報酬を得て事業や仕事に従事することが制限されています。
民間病院と同じ感覚で始めないでください。
経営側から見ると「無断副業」の方が困る
経営側にいると、
「副業を申請したら評価が下がるのでは?」
と心配するスタッフもいます。
少なくとも私が判断する側なら、副業そのものより、黙って始められる方が困ります。
事前に仕事内容や勤務時間が分かれば、
「本業に影響しないか」
「競合する仕事ではないか」
を確認できます。
逆に、後から無断副業が発覚すると、副業の内容に問題がなくても「なぜ相談しなかったのか」という話になります。
副業を始めるなら、
就業規則を確認 → 必要なら申請 → 許可後に開始
この順番が安全です。
「副業がバレる」の正体は住民税だけではない
「副業をしたら会社にバレますか?」
よく聞かれる質問です。
職場に副業が伝わる経路の一つが住民税です。
住民税は前年の所得をもとに計算されます。
会社員の場合、多くは給与から住民税が天引きされる「特別徴収」です。
副業によって所得が増えると、住民税額にも影響します。
ただし、
「住民税を自分で払えば絶対に会社にバレない」
という情報には注意してください。
副業が「給与」の場合は扱いが違う
ブログや執筆など、給与以外の所得については、確定申告時に住民税を「自分で納付」と選択できる場合があります。
一方、別の病院や介護施設から給与として副業収入を受け取る場合、給与分の住民税は原則として特別徴収となり、自分で納付を選べないケースがあります。
自治体によって運用も確認が必要です。
そのため、
「絶対に職場にバレない副業方法」を前提に動くのはおすすめしません。
隠し方を考えるより、勤務先のルールに沿って始める方が長く続けられます。
経営側は副業の何を見ている?

私が経営側として副業を見るとき、重要なのは「副業をしているか」だけではありません。
特に確認するのは次のような点です。
① 本業に影響しないか
副業で夜遅くまで働き、翌日の仕事に支障が出れば問題です。
患者対応や医療安全にも関わります。
② 競合する仕事ではないか
近隣の競合施設で働く場合は、勤務先との利害関係が問題になるケースがあります。
③ 患者情報や内部情報を持ち出さないか
患者情報はもちろん、院内資料や経営情報を副業先で利用するのは避ける必要があります。
④ 勤務先の信用を損なわないか
SNSや副業先で勤務先の名称を無断使用するなど、本業に影響する活動も注意が必要です。
厚生労働省も、副業・兼業について本業への支障、秘密保持や競業などを確認する考え方を示しています。
副業申請では「勤務条件」を具体的に伝える
副業申請で大切なのは、
「副業したいです」
だけで終わらせないことです。
例えば、
月2回、日曜日のみ勤務します。
本業と競合する医療機関ではありません。
本業の勤務先名や患者情報は使用しません。
ここまで分かれば、経営側も判断しやすくなります。
特に、いつ・どこで・何時間働くのかは明確にしておきましょう。
PT・OT・STに向いている副業

リハ職の副業は、大きく「働いて収入を得るもの」と「専門性を収入に変えるもの」に分けると整理しやすくなります。
① 単発・非常勤で働く
最も始めやすいのが、資格を使った副業です。
例えば、
- デイサービスなどで休日勤務
- 週1回の非常勤勤務
- スポーツ現場のトレーナー
- イベントなどでの専門職業務
があります。
メリットは、働いた時間が収入につながりやすいことです。
ブログやSNSと違い、収益化まで何か月も待つ必要がありません。
「単発=派遣」ではないので注意
PT・OT・STが病院や診療所などで行う医療関係業務には、労働者派遣法上の制限があります。
厚生労働省も、病院や診療所などにおけるPT・OT・STの医療関係業務について、一定の場合を除き労働者派遣を制限しています。
求人サイトに「単発」と書かれていても、
直接雇用なのか、職業紹介なのか、派遣なのか
契約形態を確認してください。
② 医療・リハビリ分野で執筆する
臨床経験を文章に変える副業です。
医療系Webメディアでは、
「理学療法士監修」
「作業療法士ライター」
などの案件があります。
臨床経験だけでなく、
- 論文を読める
- 一般の人に分かりやすく説明できる
- SEO記事を書ける
といったスキルがあると仕事につながりやすくなります。
単発勤務と比べると、場所に縛られにくいのもメリットです。
③ セミナーや運動指導
臨床経験を活かして、
養成校での講義や企業向けセミナー、地域での運動指導などにつなげる方法です。
専門領域が明確な人ほど相性があります。
私は本業とは別に外部でトレーナー活動を経験しました。
実際にやってみると、同じ「身体を見る仕事」でも、病院とは求められる説明や対応が違いました。
外で働いた経験は、本業にも還元できます。
④ ブログ・SNSで発信する
収益化まで時間はかかりますが、ブログやSNSも選択肢です。
広告収入やアフィリエイト、執筆依頼につながる可能性があります。
ただし、
「すぐ稼ぎたい人」には向きません。
半年以上収益がほとんど出ないケースもあります。
最初は単発勤務などで収入を確保しながら、ブログやSNSを育てる方法も現実的です。
副業を「転職前のお試し」に使う

私がリハ職におすすめしたいのが、
副業を転職先選びに使う方法です。
例えば訪問リハへ転職するか迷っているなら、いきなり退職する必要はありません。
勤務先の許可が取れるなら、休日や非常勤で訪問分野を経験してみる方法があります。
求人票だけでは、
「自分に合う職場か」
「仕事内容が想像と同じか」
までは分かりません。
実際の現場を経験すると判断材料が増えます。
合わなければ本業を続ければいい。
合えば転職を具体的に考えられます。
副業は収入を増やすだけでなく、転職の失敗を減らす手段にもなります。
副業の「20万円ルール」は仕事内容で変わる

副業の税金でよく聞くのが、
「年間20万円以下なら確定申告しなくていい」
という話です。
これは一部正しいのですが、すべての副業に同じ形で当てはまるわけではありません。
ブログや原稿料などの場合
本業の給与を1か所から受け、年末調整されている人の場合、
給与所得・退職所得以外の所得金額の合計が年間20万円を超えると、原則として所得税の確定申告が必要です。
ここでいう「所得」は売上ではありません。
例えば、
売上 30万円 − 必要経費 12万円= 所得 18万円
という考え方です。
別の病院から「給与」をもらう場合
非常勤勤務などで別の勤務先から給与を受け取る場合は扱いが違います。
2か所以上から給与を受けている人では、
年末調整されなかった給与の収入金額と、給与・退職所得以外の所得金額の合計が20万円を超える場合
などに確定申告が必要になります。
そのため、
「副業20万円=売上−経費」
と一律に覚えるのは危険です。
20万円以下でも住民税の申告が必要な場合がある
もう一つ忘れやすいのが住民税です。
所得税の確定申告が不要でも、市区町村への住民税申告が必要になる場合があります。
例えば広島市でも、給与所得以外の所得が20万円以下で所得税の確定申告が不要な給与所得者について、市民税・県民税の申告が必要と案内しています。
副業を始めたら、
「20万円を超えたか」だけで判断せず、所得の種類まで確認する
のが安全です。
分からない場合は税務署や自治体の税務窓口へ確認してください。
副業では労働時間にも注意する
意外と見落とされるのが労働時間です。
本業とは別の会社に雇用されて働く場合、副業先を含めた労働時間の管理が問題になるケースがあります。
厚生労働省も、副業・兼業時の労働時間管理についてガイドラインや資料を公開しています。
例えば、
平日にフルタイム勤務
↓
夜に副業
↓
土日も非常勤
という働き方を続けると、収入は増えても体力が続きません。
医療職の場合、疲労による集中力低下は患者対応にも影響します。
副業収入だけでなく、翌日の本業に影響しない働き方かまで考えてください。
PT・OT・STが副業を始める順番

副業を始めるなら、私は次の順番をおすすめします。
STEP1
就業規則を確認する
↓
STEP2
必要なら勤務先へ副業申請を出す
↓
STEP3
月1〜2回程度から始める
↓
STEP4
本業への影響を確認する
↓
STEP5
収入が発生したら税金の扱いを確認する
最初から毎週働く必要はありません。
まずは小さく始めて、
「体力的に続けられるか」
「時給に見合っているか」
を確認してから増やす方が失敗しにくくなります。
まとめ|副業は「収入」だけで選ばない
PT・OT・STが副業を始めるなら、最初に確認するのは求人サイトではありません。
就業規則です。
そのうえで勤務先のルールに沿って始めましょう。
経営側として副業を見る立場にいる私が感じるのは、副業そのものが問題なのではなく、
本業に支障が出る働き方や、無断で始めることの方が問題になりやすい
ということです。
私自身、外部で仕事をしたことで、本業だけでは得られなかった視点を持てました。
副業には収入を増やす以外にも、
自分の市場価値を知り、次のキャリアを試せるメリットがあります。
いきなり大きく稼ぐ必要はありません。
まずは就業規則を確認して、月1回の仕事から始める。
そのくらいのスタートで十分です。
※制度・税務に関する記載は2026年8月時点の一般的な内容です。勤務先の規定、雇用形態、居住自治体によって扱いが異なるため、個別の判断は勤務先・税務署・自治体へ確認してください。
働き方の選択肢としての派遣・単発は、比較記事の「メディカル・コンシェルジュネット」の章で詳しく書いています👇


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