1〜3年目のPT・OT・STが転職するのは不利?|採用側が「早期離職」をどう見ているか正直に話します!

career
記事内に広告が含まれています。
転職に悩むリハスタッフ
転職に悩むリハスタッフ

就職してまだ3年も経っていないのに、転職なんて甘いだろうか?

1〜3年目で転職を考えると、必ずこの声が頭をよぎります。先輩からの「石の上にも三年」、親からの「もう辞めるの?」、そして自分自身の「逃げなんじゃないか」という疑い。

経営管理部長
経営管理部長

結論から言います。甘いかどうかは、年数では決まりません。

私は元リハビリ部長として、数百件の応募書類に目を通してきました。その中には、1年目、2年目で前職を離れた人の書類もたくさんありました。採用した人もいれば、見送った人もいます。

その線引きはどこにあったのか。採用側が早期離職の応募者を見た瞬間、頭の中で何を考えているのか——普段は表に出ない部分を、正直にお話しします。

読み終わる頃には、「自分は転職していい状態なのか」を、感情ではなく採用側の基準で判断できるようになっているはずです。

  • 理学療法士として臨床経験15年以上
  • 元リハ部長、現経営管理部長
  • 多くの採用・昇進の評価をする側を経験
  • 整形クリニック複数の経営に関与
  • 自身も昇進・キャリアアップで年収アップを実現
  • 論文を年間200本以上チェックし、正確な情報を発信
    >>詳しい運営者情報はこちら

結論:不利になる場合と、ならない場合がある

まず全体像です。1〜3年目の転職は、

  • 不利になるケース:退職理由が「環境への不満」で終わっている場合
  • 不利にならない(むしろ歓迎される)ケース:退職理由が「次で何をするか」に変換されている場合

——この2つに、はっきり分かれます。年次そのものは、採用側にとって決定打ではありません。

なぜそう言えるのか。採用側の頭の中を開いて説明します。


採用側は、早期離職の書類を見た瞬間に何を考えるか

若手の応募書類で「前職:1年6ヶ月」という記載を見たとき、採用側の頭に浮かぶのは、たった一つの問いです。

「うちに来ても、同じ理由で辞めないか?」

以前の記事でも書きましたが、採用は施設にとって1,000万円規模の投資です(社会保険料の事業主負担、育成コストまで含めた概算)。そして投資で最も避けたいのは、早期離職=投資の全損です。

だから、在籍期間が短い応募者に対して、採用側は自動的に「定着リスクの査定」を始めます。これは意地悪ではなく、投資判断として当然の思考です。

大事なのはここからです。この査定は、面接での説明次第でひっくり返ります。 「1年で辞めた人」を全員落としていたら、施設は採用できません。採用側が本当に見ているのは在籍期間の数字ではなく、辞めた理由の語られ方です。


「環境のせい」で終わる退職理由が敬遠される本当の理由

面接で退職理由を聞いたとき、こういう答えがあります。

「残業が多くて」「人間関係が合わなくて」「教育体制がなくて」

お気持ちは分かります。実際、その通りなのでしょう。リハ職の早期離職の多くは、職場環境に原因があります。あなたが悪いわけではない、というのは本当です。

でも、採用側の耳にこの答えがどう聞こえるか、正直に言います。

「この人は、環境が合わなければまた辞める人かもしれない」

理不尽に聞こえるかもしれません。しかし採用側には、あなたの前職の実態を確認する手段がありません。語られた退職理由だけが判断材料です。そして「環境への不満」で終わる説明は、次の環境でも同じことが起きる可能性を否定してくれないのです。

もう一つ、シビアな現実を。不満系の退職理由は、面接の場で前職の悪口として響くリスクがあります。事実であっても、です。「この人はうちを辞めるとき、外でこう語るのか」と想像させてしまったら、心証はかなり不利になります。


逆に、若手だからこそ歓迎されるケースがある

ここまで厳しい話をしましたが、逆側の本音も話します。

実は、採用側には若手を積極的に採りたい理由があります。

第一に、将来性への投資ができる。 以前の記事で「施設は即戦力だけでなく、将来性にも投資する」と書きました。1〜3年目は、まさにその投資対象です。変な癖がつく前に、自施設のやり方で育てられる——これを利点と考える施設は多い。

第二に、給与テーブルの面で採用しやすい。 率直に言えば、経験15年のベテランより、若手のほうが人件費を抑えて採用できます。「若手歓迎」の求人が多いのには、こういう経営側の事情もあります。

第三に、組織の年齢構成を整えたい施設がある。 中堅ばかりの職場、ベテランばかりの職場は、意外と多い。そこに若手を入れたいというニーズは、常に存在します。

つまり、市場全体で見れば若手の需要はある。問題は需要の有無ではなく、あなたが「定着リスクの査定」を通過できる語り方を持っているかどうか、それだけです。


退職理由を「次で何をするか」に変換する型

では、どう語ればいいか。型はシンプルです。

「不満(過去)」で終わらせず、「目的(未来)」で締める。

不満を隠す必要はありません。嘘は面接官に透けますし、事実を偽るべきでもない。順番と重心を変えるだけです。例を3つ示します。

例1:残業・業務量が理由の場合

  • ❌「残業が多く、体力的に続けられないと思い退職しました」
  • ⭕「業務量の多い環境で基礎体力と処理能力は鍛えられましたが、患者さん一人ひとりと向き合う時間を確保できる環境で、リハビリの質を高めていきたいと考え、転職を決めました」

例2:人間関係が理由の場合

  • ❌「職場の人間関係がうまくいかず退職しました」
  • ⭕「前職では自分の意見を発信しにくい環境でした。多職種で意見を出し合いながらリハビリの方針を作っていける環境で、チームの一員として貢献したいと考えています」

例3:教育体制が理由の場合

  • ❌「教育体制がなく、成長できないと思ったからです」
  • ⭕「前職では手探りで学ぶ日々でしたが、その分、自分で調べて解決する習慣がつきました。この基礎の上に、フィードバックをもらえる環境で臨床を磨き、貴院の〇〇の分野に貢献したいです」

お気づきでしょうか。3つとも、前職の事実は変えていません。変えたのは、不満を「そこで得たもの」に一度変換し、最後を「次で何をするか」で締める構成だけです。これが、以前の記事で書いた「学びたいを貢献に接続する」と同じ、採用側に「この投資は回収できる」と思わせる語り方です。


1〜3年目こそ、内部情報が生命線になる理由

最後に、実務の話をします。

若手の転職で絶対に避けたいのは、2回目の早期離職です。1回目は語り方で乗り越えられます。しかし短期離職が2回続くと、「定着リスクの査定」を通過する難易度は一気に上がります。つまりあなたの次の転職は、失敗できない転職です。

そして、転職失敗の最大の原因は「求人票と実態のギャップ」——これは以前の記事で詳しく書いた通りです。1〜3年目は、施設を見極める経験値がまだ少ない。だからこそ、職場の内部情報(離職率、教育体制の実態、リハ科の雰囲気)を持っている転職エージェントの価値が、キャリアのどの段階よりも大きくなります。

若手の転職は、情報戦です。「もう失敗できない」からこそ、求人票の言葉ではなく、中の情報で決めてください。


まとめ:年数ではなく、語り方で決まる

1〜3年目の転職について、採用側の本音を整理します。

  • 採用側が見ているのは在籍期間の数字ではなく、辞めた理由の語られ方
  • 「環境への不満」で終わる説明は、「うちでも同じことが起きる」と査定される
  • 不満は「そこで得たもの」に変換し、「次で何をするか」で締める
  • 若手への需要は市場に確実にある。将来性への投資、給与面、年齢構成——施設側にも採る理由がある
  • ただし2回目の失敗は許されない。だからこそ、内部情報を揃えてから決める

「石の上にも三年」は、あなたを思って言われる言葉かもしれません。でも、採用の現場にいた人間として言えば、3年という数字に採用上の魔法はありません。あるのは、辞めた理由を未来に変換できるかどうか、それだけです。

悩んでいる時間も、あなたのキャリアの一部です。感情で飛び出すのでも、我慢で耐え続けるのでもなく、情報を揃えて、自分の言葉で語れる状態を作ってから動く。
それができれば、1年目だろうと3年目だろうと、あなたの転職は「甘え」ではなく「戦略」です。

この記事を書いた人
ミカタ

ミカタ(理学療法士)
元リハビリテーション部長。採用する側として多数の面接を経験し、現在は整形外科クリニックの経営管理部長。年間200本以上の医学論文を読む健康オタク。エビデンスに基づくカラダの話と、採用側の視点で語るリハ職のキャリアの話を発信しています。

ミカタをフォローする
career
シェアする
ミカタをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました