サルコペニア対策では、筋トレとたんぱく質を中心に、早めに筋力低下へ気づくことが大切です。階段がつらい、立ち上がりが遅い、脚が細くなったと感じる人は、年齢のせいだけでなく筋肉量や筋力の低下が関係している可能性があります。
👱♂️「最近、階段を上がるのがしんどい」
👩「体重は変わらないのに、脚が細くなった気がする」
👱♀️「ひざが痛くて動かないうちに、さらに体力が落ちた気がする」
こんな悩みはありませんか?
特に40代後半以降の女性では、体重よりも筋肉の減り方が気になり始める方も少なくありません。もちろん男性にも起こりますが、家事・仕事・介護などで自分の体の変化を後回しにしている方ほど、気づいた時には「前より動けない」と感じやすいです。
今回紹介する論文では、サルコペニアの診断の目安、食事、筋トレ、ひざ痛との関係がまとめられています。
結論から言うと、サルコペニア対策の基本はとてもシンプルです。
筋トレを続けること
たんぱく質をしっかりとること
歩く速さや立ち上がりの変化に早めに気づくこと
この3つが、将来の健康寿命を守る大事なポイントになります。
サルコペニアとは?
サルコペニアとは、年齢とともに筋肉量と筋力が低下し、動く力が落ちてしまう状態のことです。
単に「筋肉が少ない」だけではありません。
筋力が落ちることで、
・階段がつらくなる
・椅子から立ち上がりにくくなる
・つまずきやすくなる
・外出が面倒になる
・転倒のリスクが上がる
といった日常生活の困りごとにつながります。
怖いのは、
動かない → 筋力が落ちる → さらに動けない
という悪循環に入りやすいことです。
そのため、サルコペニアは「高齢になってから考えるもの」ではなく、40代・50代から少しずつ意識しておきたいテーマです。
まずはセルフチェック
サルコペニアの疑いを見つける方法として、論文ではSARC-Fという質問票が紹介されています。
SARC-Fとは、筋力、歩行、椅子からの立ち上がり、階段、転倒などを確認する簡単なチェック方法です。
専門的な診断ではありませんが、気づきのきっかけになります。
次のような変化があれば注意しましょう。
・買い物袋が前より重く感じる
・階段で脚がふらつく
・椅子から立つ時に手をつく
・歩くスピードが遅くなった
・つまずく回数が増えた
・以前より外出が面倒になった
「年齢のせいかな」で終わらせず、早めに体のサインとして受け止めることが大切です。
診断の目安は「筋力・筋肉量・動き」
サルコペニアは、主に以下の3つを見て判断します。
1. 筋力
代表的なのが握力です。
目安として、
男性は27kg未満
女性は16kg未満
が筋力低下の基準の一つとして示されています。
握力は手の力だけでなく、全身の筋力を反映しやすい指標として使われます。
2. 立ち上がる力
椅子から5回立ち上がるテストもあります。
5回立ち上がるのに15秒より長くかかる場合、筋力低下のサインと考えられます。
自宅でも確認しやすいですが、転倒の危険がある方は無理に行わないでください。
3. 筋肉量
筋肉量は、医療機関や体組成計などで評価します。
代表的な方法は以下です。
DEXA
Dual-energy X-ray absorptiometryの略で、X線を使って骨密度や体組成を測定する方法です。
BIA
Bioelectrical impedance analysisの略で、体に微弱な電気を流して体組成を推定する方法です。家庭用体組成計にも使われています。
筋肉量の基準は、測定機器や国、団体によって少し違いがあります。
歩く速さも大切なサイン
サルコペニアの重症度を見る時には、歩く速さや動作能力も確認します。
論文では、以下のような目安が紹介されています。
・歩く速さが0.8m/秒以下
・SPPBが8点以下
・TUGが20秒以上
SPPBはShort Physical Performance Batteryの略で、立位バランス、歩行速度、椅子立ち上がりなどを見る運動機能テストです。
TUGはTimed Up and Go testの略で、椅子から立ち、歩いて戻って座るまでの時間を見るテストです。
簡単に言うと、
歩く・立つ・方向転換する
といった日常動作の力を確認するテストです。
ひざ痛とサルコペニアは関係する?
ここは、整形外科やリハビリの現場でもとても大切なポイントです。
ひざの変形性関節症があると、痛みで動く量が減りやすくなります。すると太ももやお尻の筋力が落ち、さらに歩きにくくなることがあります。
つまり、
ひざが痛い → 動かない → 筋力が落ちる → さらにひざに負担がかかる
という悪循環です。
論文では、ひざの変形性関節症がある人は、ない人よりサルコペニアが多いことが紹介されています。
・ひざの変形性関節症あり:45.2%
・ひざの変形性関節症なし:31.2%
さらに、サルコペニアの起こりやすさは約2倍とされています。
ここで出てくるORとはOdds Ratioの略で、オッズ比と呼ばれます。簡単に言うと「起こりやすさの目安」です。1より大きいほど、起こりやすい傾向があると考えます。
ただし、これは「ひざ痛がある人は必ずサルコペニアになる」という意味ではありません。
大切なのは、ひざ痛がある人ほど、痛みを悪化させない範囲で筋力を守る工夫が必要ということです。
人工ひざ関節の手術前後でも筋肉は重要
論文では、人工ひざ関節置換術を受ける患者さんでも、サルコペニアが重要な要素として紹介されています。
TKAとはTotal Knee Arthroplastyの略で、人工ひざ関節置換術のことです。
レビューでは、TKAを受ける患者さんの約20.1%にサルコペニアがあると報告されています。
また、サルコペニアがある場合、術後の合併症リスクが高くなる可能性も示されています。
これは「手術が危険」という話ではありません。
むしろ、手術を考える方ほど、
手術前から筋力と栄養状態を整えておくことが大切
というメッセージです。
対策の主役は筋トレ
サルコペニア対策で中心になるのは、抵抗運動です。
抵抗運動とは、筋肉に負荷をかける運動のことです。いわゆる筋トレです。
論文では、3か月以上の継続で筋力や身体機能の改善が期待できることが紹介されています。
初心者におすすめしやすい運動は以下です。
椅子スクワット
椅子に座る、立つをゆっくり繰り返します。
ひざが痛い方は浅めで大丈夫です。
かかと上げ
立った状態で、かかとをゆっくり上げ下げします。
ふくらはぎの筋肉を使います。
少し速めのウォーキング
息が少し弾む程度で、無理なく行いましょう。
ひざ痛がある場合は、平らな道を選ぶのがおすすめです。
片足立ち
転倒しないように、机や壁につかまれる場所で行いましょう。
バランス能力の維持に役立ちます。
ポイントは、完璧を目指さないことです。
「毎日しないと意味がない」と考えるより、
週2〜3回でも続けること
を優先しましょう。
食事はたんぱく質がカギ
筋肉を守るには、運動だけでなく食事も大切です。
論文では、高齢のサルコペニア患者に対して、1日あたり体重1kgにつき1〜1.5gのたんぱく質摂取が推奨されています。
たとえば体重50kgの方なら、
1日50〜75gのたんぱく質
が目安になります。
たんぱく質は、1食でまとめてとるより、毎食に分ける方が取り入れやすいです。
おすすめの食品は以下です。
・卵
・魚
・鶏肉
・豚肉
・牛肉
・豆腐
・納豆
・ヨーグルト
・チーズ
朝はパンとコーヒーだけ、昼は麺類だけ、夜は少しだけ。
このような食事が続くと、たんぱく質が不足しやすくなります。
特に女性は、体重を気にして食事量を減らしすぎることで、筋肉を作る材料まで不足してしまうことがあります。
「体重を落とす」だけでなく、
筋肉を落とさない食べ方
を意識することが大切です。
サプリは必要?
論文では、ホエイたんぱく、ロイシン、ビタミンDなどの栄養と運動を組み合わせた研究で、筋肉量や握力、動きの改善が報告されています。
ただし、サプリはあくまで補助です。
基本は、
食事でたんぱく質をとる
筋トレを続ける
睡眠を整える
ことです。
腎臓病などの持病がある方、薬を飲んでいる方は、たんぱく質量やサプリの使用について医師や管理栄養士に相談してください。
薬が多い人は医師に相談を
論文では、薬が多い状態とサルコペニアの関連についても触れられています。
薬が多いことをポリファーマシーといいます。
もちろん、必要な薬を自己判断でやめるのは危険です。
ただし、ふらつき、眠気、食欲低下などがある場合は、薬の影響が関係していることもあります。
「薬を減らしたい」と自己判断するのではなく、
医師や薬剤師に相談して、見直せるものがないか確認する
ことが大切です。
受診や相談の目安
次のような場合は、医療機関やリハビリ専門職に相談することをおすすめします。
・半年で急に歩くのが遅くなった
・階段が明らかにつらくなった
・椅子から立つ時に手をつくようになった
・転びそうになることが増えた
・ひざ痛で運動が怖い
・食が細く、体重が減っている
・脚が細くなったと感じる
整形外科、かかりつけ医、リハビリ、管理栄養士などに相談すると、筋力や体組成、食事内容を確認しながら対策を立てやすくなります。
まとめ
サルコペニアは、年齢とともに筋肉量や筋力が低下し、歩く・立つ・階段を上がるといった日常動作に影響する状態です。
しかし、早めに気づき、対策することで悪循環を防ぎやすくなります。
大切なのは、次の3つです。
1. 筋トレを続ける
椅子スクワットやかかと上げなど、無理のない運動から始めましょう。
2. たんぱく質を毎食とる
卵、魚、肉、大豆製品、乳製品などを少しずつ取り入れましょう。
3. 歩く速さや立ち上がりの変化に気づく
「年齢のせい」で終わらせず、体からのサインとして見直しましょう。
ひざ痛がある方は、痛みを我慢して無理に運動する必要はありません。
痛みの少ない方法を選び、必要に応じて専門家に相談することが大切です。
今日の一歩が、未来の元気をつくります。みんなで健康寿命を延ばしていきましょう!!
注意点
この記事は、できるだけ信頼度の高いレビュー論文を参考に作成していますが、研究は対象者、年齢、持病、運動内容、栄養状態などによって結果が異なります。
そのため、この記事の内容がすべての人にそのまま当てはまるわけではありません。
痛みが強い方、持病がある方、薬を飲んでいる方、急に体重が減っている方は、自己判断で運動や食事を大きく変えず、医師や医療専門職に相談してください。
また、本記事は医療行為の指示や診断を目的としたものではなく、健康情報の一例として参考にしていただく内容です。
記事作成について
この記事は、論文選定を筆者である理学療法士が行い、文章作成にはAIであるChatGPTを活用しています。
作成後の文章は、筆者が内容を確認し、必要に応じて修正・加筆を行っています。
FAQ
Q1. サルコペニアは何歳から注意した方がいいですか?
高齢者に多い状態ですが、40代・50代から筋肉量は少しずつ減りやすくなります。階段がつらい、立ち上がりが遅い、脚が細くなったと感じる場合は、早めに運動と食事を見直すことがおすすめです。
Q2. ひざが痛くても筋トレはした方がいいですか?
ひざ痛がある方でも、筋力を守ることは大切です。ただし、痛みを我慢して強い運動をする必要はありません。椅子スクワットを浅くする、かかと上げから始めるなど、痛みの少ない方法を選びましょう。痛みが強い場合は専門家に相談してください。
Q3. たんぱく質はサプリでとれば十分ですか?
サプリは補助として使える場合もありますが、基本は食事です。卵、魚、肉、大豆製品、乳製品などを毎食少しずつ取り入れることが大切です。持病がある方は、たんぱく質量やサプリについて医師や管理栄養士に相談しましょう。
参考論文
Chung JY, Kim S-G, Kim SH, Park CH.
Sarcopenia: how to determine and manage.
Knee Surgery & Related Research. 2025;37:12.
Published: 17 March 2025.
Received: 25 October 2024. Accepted: 1 March 2025.
DOI: 10.1186/s43019-025-00265-6
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