PT・OT・STの職務経歴書|多数を見てきた採用側が「最初の10秒」で見ているところ

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厳しい話から始めます。

あなたが何時間もかけて書いた職務経歴書は、
最初の10秒でふるいにかけられています。

冷たい話に聞こえるかもしれません。

でも、採用側にいた私からすると、これが現実です。

私は元リハビリ部長として、PT・OT・STの応募書類を数百枚見てきました。

正直に言うと、
最初から1枚1枚をじっくり読んでいたわけではありません。

まずは10秒で、こう判断していました。

「この書類は、読む価値があるか?」

そこで残った書類だけを、次にじっくり読みます。

つまり、書類選考には2段階あります。

  1. 最初の10秒でふるいにかける
  2. 残った書類を詳しく読む

では、その10秒で何を見ているのか。

どんな職務経歴書が次に進み、
どんな職務経歴書がそこで終わるのか。

今回は、書類を査定する側だった立場から、
採用側の視線の動きまで含めて解説します。

この記事のビフォーアフターの型をなぞれば、
あなたの職務経歴書は10秒の壁を越えやすくなります。

  • 理学療法士として臨床経験15年以上
  • 元リハ部長、現経営管理部長
  • 多くの採用・昇進の評価をする側を経験
  • 整形クリニック複数の経営に関与
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採用側は書類を「読む」のではなく「査定」している

まず、大前提です。

採用側は、応募書類を最初から丁寧に読んでいるわけではありません。

もちろん、これは失礼な気持ちで見ているわけではありません。

ただ、書類選考の目的は、
あなたの人生をすべて理解することではないからです。

書類選考の目的は、シンプルです。

「この人を面接に呼ぶ価値があるか」

これを判断することです。

そして、判断に必要な情報は、実はそこまで多くありません。

以前の記事でも書きましたが、採用は施設にとって大きな投資です。

人件費、教育コスト、定着までの時間を含めると、
採用は1,000万円規模の投資になることもあります。

だからこそ、採用側は書類の段階でこう見ています。

「この人への投資は、検討する価値があるか?」

その一次審査が、最初の10秒です。


最初の10秒で見ている3つのポイント

採用側が最初に見るポイントは、大きく3つです。

  1. 在籍期間の刻み方
  2. 経験の具体性
  3. 志望動機の向き

順番に説明します。


① 在籍期間の「刻み方」

採用側の視線が最初に行くのは、
志望動機でも自己PRでもありません。

まず見ているのは、職歴欄の年月です。

具体的には、ここを見ています。

  • どこに何年いたか
  • 空白期間はないか
  • 短期間での転職が続いていないか
  • 退職理由に違和感がないか

ここで採用側は、
定着リスクを見ています。

「この人は長く働いてくれそうか」
「すぐ辞める可能性はないか」
「職場との相性に問題が出やすい人ではないか」

こういったことを、まず職歴の流れから判断します。

短期離職や空白期間がある場合

短期在籍や空白期間がある人もいると思います。

その場合、大事なのはごまかさないことです。

むしろ、職務経歴書の中で先回りして一言添えた方がよいです。

たとえば、

  • 家族の介護のため退職
  • 〇〇分野に挑戦するため転職
  • 体調面を整えるため一定期間休職
  • 転居に伴い退職

このように、事実を一行書くだけでも印象は変わります。

逆に、理由を書かずに
「一身上の都合」とだけ書いていると、採用側は勝手に想像します。

そして、その想像はだいたい悪い方向に進みます。

だからこそ、説明できることは最初から書いておく。

これだけで、不要な減点を防げます。


② 経験の「具体性」

次に見るのは、経験の具体性です。

採用側は、ただの業務内容ではなく、
どんな経験を、どれくらい、どんな立場でしてきたのかを見ています。

たとえば、よくある書き方がこちらです。

回復期病棟でリハビリ業務に従事

これだけでは、正直ほとんど伝わりません。

採用側が知りたいのは、もっと具体的な情報です。

採用側が知りたい情報

見ているのは、主にこの3つです。

1. 疾患
脳血管疾患が中心なのか。
運動器が中心なのか。
呼吸器や内部障害も担当していたのか。

2. 量
1日何単位を担当していたのか。
担当患者数はどれくらいか。
どれくらいの症例を経験してきたのか。

3. 役割
患者さんを担当するだけだったのか。
後輩指導をしていたのか。
委員会活動、カンファレンス運営、退院支援にも関わっていたのか。

この3つが具体的に書かれている職務経歴書は、
10秒査定を通過しやすくなります。

逆に、長く書いてあっても、
抽象的な業務説明ばかりだと読み飛ばされます。

大事なのは、文章の量ではありません。

採用側が判断できる材料があるかどうかです。


③ 志望動機の「向き」

3つ目は、志望動機です。

ここで見ているのは、文章のうまさではありません。

見ているのは、
矢印がどちらを向いているかです。

よくある志望動機がこちらです。

  • 成長したい
  • 学びたい
  • スキルアップしたい
  • 貴院で経験を積みたい

もちろん、成長意欲があることは悪くありません。

ただ、この書き方だけだと、
矢印がすべて自分向きです。

採用側が知りたいのは、そこだけではありません。

「あなたが入職することで、施設に何をもたらしてくれるのか」

ここです。

以前の面接記事でも書きましたが、
職場は学校ではありません。

これは書類でも同じです。

志望動機に必要なのは「貢献」

志望動機には、施設側のメリットが必要です。

たとえば、

  • 急性期で培ったリスク管理を活かしたい
  • 在宅復帰支援に貢献したい
  • 外来リハでの運動器経験を活かしたい
  • 後輩指導や業務改善にも関わりたい

このように、
自分の経験と施設への貢献がつながっているかが大切です。

「学ばせていただきたい」で終わる書類は、印象が弱くなります。

一方で、
「自分の経験を活かして、貴院の〇〇に貢献したい」
と書かれている書類は、次を読みたくなります。


「自己PRが弱い」よりも致命的な減点ポイント

職務経歴書の書き方というと、
「強みをアピールしましょう」と言われることが多いです。

もちろん、それも大事です。

でも、採用側として見ていると、
実際には加点不足よりも減点で落ちる書類の方が多いです。

特に多い減点ポイントを紹介します。


減点① 誤字脱字・施設名の間違い

これは本当によくあります。

  • 誤字脱字が多い
  • 施設名を間違えている
  • 他院向けの志望動機を使い回している
  • 前に応募した施設名が残っている

これはスキル以前の問題です。

採用側には、こう見えます。

「この人は本気で応募しているのかな?」

特に施設名の間違いは、一発で印象が悪くなります。

内容が良くても、
「使い回しの書類だな」と思われた時点で厳しいです。

提出前に、必ず声に出して確認してください。


減点② 読みにくい構成

手書き指定でもないのに、
見出しも改行もない長文の職務経歴書。

これもかなり不利です。

採用側は、最初の10秒でざっと見ます。

その前提で作られていない書類は、
10秒で終わってしまいます。

読みやすい書類には、共通点があります。

  • 見出しがある
  • 改行がある
  • 箇条書きがある
  • 数字が入っている
  • 重要な経験がすぐ見つかる

職務経歴書は、作文ではありません。

採用側が必要な情報を拾いやすいように、
見やすく設計する書類です。


減点③ 経歴と応募先がつながっていない

経歴はしっかり書いてある。

でも、最後まで読むとこう思うことがあります。

「で、うちで何をしたいの?」

これはかなりもったいないです。

過去の経験を書くことは大切です。

でも、それだけでは足りません。

大事なのは、
過去の経験を、応募先でどう活かすかです。

たとえば、

  • 回復期経験がある
    在宅復帰支援に活かしたい
  • 外来運動器を多く担当した
    貴院の外来リハに貢献したい
  • 後輩指導をしていた
    教育体制づくりにも関わりたい

このように、経歴と応募先をつなげることが大切です。


減点④ 自己PRを盛りすぎている

自己PRでよくあるのが、
根拠のない形容詞です。

たとえば、

  • コミュニケーション能力に自信があります
  • 責任感があります
  • 協調性があります
  • 患者様に寄り添えます

もちろん、悪い言葉ではありません。

でも、これだけでは採用側には伝わりません。

なぜなら、誰でも書けるからです。

採用側が知りたいのは、
あなたの自己評価ではありません。

そう判断できる具体的なエピソードです。

「コミュニケーション能力があります」よりも、
「多職種カンファレンスで情報共有の仕組みを作った」の方が強いです。

形容詞ではなく、事実で伝えましょう。


通る職務経歴書の型は「貢献ベース」

ここからが本題です。

10秒を越えて、面接に呼ばれる職務経歴書には型があります。

それが、貢献ベースです。

貢献ベースとは、こういう書き方です。

何をしてきたか

その経験を応募先でどう活かせるか

この2つをつなげる書き方です。

ただ経歴を並べるだけでは弱いです。

「私はこれをしてきました」だけで終わらせず、
「だから貴院でこう貢献できます」まで書く。

これが大事です。


職務内容の書き方

まずは職務内容です。

❌ ビフォー

回復期リハビリテーション病棟にて、リハビリ業務全般に従事

この書き方だと、経験の中身が見えません。

「どんな患者さんを?」
「どれくらい担当していたの?」
「どんな役割だったの?」

ここが採用側には伝わりません。

⭕ アフター

回復期リハビリテーション病棟にて、脳血管疾患を中心に1日平均18単位を担当。担当患者数は常時10〜12名。退院前訪問指導を年間〇件実施し、在宅復帰支援に注力しました。

この書き方なら、経験の解像度が上がります。

変えたのは、事実の水増しではありません。

疾患・量・役割を具体的にしただけです。

これだけで、採用側は判断しやすくなります。


自己PRの書き方

次に自己PRです。

❌ ビフォー

コミュニケーション能力に自信があり、患者様に寄り添ったリハビリを心がけています。

よくある表現ですが、少し弱いです。

理由は、根拠が見えないからです。

⭕ アフター

多職種カンファレンスで、リハビリ側の評価内容を看護・介護スタッフに共有するための資料フォーマットを作成しました。そのフォーマットは病棟内で採用され、職種間の情報共有を改善するきっかけになりました。私は、現場の課題を仕組みで改善することが得意です。

この書き方のポイントは、
エピソード+再現性です。

つまり、

  • 実際に何をしたか
  • その経験を次の職場でもどう活かせるか

この2つが入っています。

採用側が欲しいのは、あなたの自己評価ではありません。

採用してよいか判断する材料です。


志望動機の書き方

最後に志望動機です。

❌ ビフォー

貴院で回復期のリハビリを学び、成長したいと考え志望しました。

この文章は悪くありません。

ただ、採用側から見ると、少し物足りません。

なぜなら、施設側のメリットが見えにくいからです。

⭕ アフター

急性期で培った離床時のリスク管理や多職種連携の経験を活かしながら、貴院が注力されている在宅復帰支援に取り組みたいと考えています。これまでの経験を活かし、退院支援の質の向上に貢献したいと思い志望しました。

この書き方なら、
「学びたい」だけで終わっていません。

自分の経験と、応募先への貢献がつながっています。

書類と面接でこの軸がそろっていると、
採用側には一貫性として伝わります。

一貫性がある人は、信頼されやすいです。


職務経歴書はエージェントに添削してもらうのもあり

ここまで、職務経歴書の書き方を解説してきました。

もちろん、自分で整えることもできます。

ただ、転職エージェントを使うなら、
書類添削は無料サービスの標準装備です。

使えるものは使った方がいいです。

エージェントは、応募先の施設がどんな人材を求めているかを知った上で、書類を整えてくれます。

もちろん、担当者の質には差があります。

このあたりは、以前の面談の記事でも書いた通りです。

ただ、施設側として見ていた立場から言うと、
エージェント経由の書類は、全体的に読みやすいものが多かったです。

理由はシンプルです。

担当者が書類を整えているからです。

逆に言えば、直接応募の書類は、
プロが整えた書類と同じ土俵で見られます。

だからこそ、

  • この記事の型を使って自分で整える
  • エージェントに添削してもらう

少なくとも、どちらかはやっておくべきです。


まとめ:10秒の査定は、準備した人だけが通る

最後にまとめます。

採用側は、職務経歴書を最初からじっくり読んでいるわけではありません。

まずは最初の10秒で、
読む価値がある書類かどうかを査定しています。

その10秒で見ているのは、主にこの3つです。

  • 在籍期間の刻み方
  • 経験の具体性
  • 志望動機の向き

そして、落ちる書類は加点不足よりも、減点で落ちることが多いです。

特に注意したいのは、次のポイントです。

  • 誤字脱字
  • 施設名の間違い
  • 使い回しの志望動機
  • 読みにくい構成
  • 根拠のない自己PR
  • 経歴と応募先がつながっていない文章

通る職務経歴書に必要なのは、
派手なアピールではありません。

大事なのは、貢献ベースで書くことです。

つまり、

何をしてきたか

その経験を応募先でどう活かせるか

ここまで書くことです。

職務経歴書は、あなたの代わりに最初の面接を受けに行く分身です。

10秒でふるい落とされる書類のまま応募し続けるのは、
とてももったいないです。

この記事のビフォーアフターを、
そのまま自分の職務経歴書に当てはめてみてください。

それだけでも、書類の印象は大きく変わります。

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この記事を書いた人
ミカタ

ミカタ(理学療法士)
元リハビリテーション部長。採用する側として多数の面接を経験し、現在は整形外科クリニックの経営管理部長。年間200本以上の医学論文を読む健康オタク。エビデンスに基づくカラダの話と、採用側の視点で語るリハ職のキャリアの話を発信しています。

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