理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の求人票は、施設の「広告」です。採用側として求人票を作ってきた元リハビリ部長が、よくある表現の裏側と、求人票だけでは絶対に分からない3つのことを正直に解説します。

聞いてた話と違う!!!
という入職後のギャップです。
求人票では良さそうに見えた。
面接でも悪くなさそうだった。
でも、入職してみると何か違う。
残業の実態。
人間関係。
教育体制。
給与や手当。
リハ科の雰囲気。
こうした部分で、
「思っていた職場と違った」と感じる人は少なくありません。
では、なぜこんなことが起きるのでしょうか。
答えはシンプルです。
求人票は、施設の「広告」だからです。
この記事では、求人票を作ってきた立場から、よくある表現の裏側と、求人票だけでは絶対に分からないことを、正直に翻訳します。
私は求人票を「作る側」にいました
私は元リハビリ部長として、採用する側にいました。
つまり、求人票を読む側ではなく、
求人票を作る側にいたということです。
自分の部署の求人票を出し、
応募者の書類を見て、
面接もしてきました。
だからこそ、はっきり言えます。
求人票は嘘は書きません。
でも、書かないことはあります。
そして、求職者が本当に知りたいことほど、
求人票には書かれていないことが多いです。
この記事では、求人票を作ってきた立場から、
よくある表現の裏側を正直に解説します。
さらに、求人票だけでは分からない3つのことも紹介します。

- 理学療法士として臨床経験15年以上
- 元リハ部長、現経営管理部長
- 多くの採用・昇進の評価をする側を経験
- 整形クリニック複数の経営に関与
- 自身も昇進・キャリアアップで年収アップを実現
- 論文を年間200本以上チェックし、正確な情報を発信
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大前提:求人票は「悪いことを書かない」のが普通
まず、いちばん大事な前提です。
求人票は、施設が求職者に向けて出す広告です。
商品の広告に、
「この商品のここが微妙です」
とは書かないですよね。
それと同じです。
求人票にも、施設側から不利なことは基本的に書きません。
これは、施設が悪いという話ではありません。
採用したい側としては、当然のことです。
私自身、求人票を作るときに嘘は書きませんでした。
ただし、
- 残業が多めです
- 人間関係に課題があります
- 教育体制はまだ整っていません
- 中堅スタッフが少ないです
こういったことを、わざわざ求人票に書くことはありませんでした。
つまり、求人票を見るときに大切なのは、
書いてあることを疑うことではありません。
大切なのは、
「書いていないこと」を読み取る視点です。
よくある求人票の表現を、採用側目線で翻訳します
ここからは、求人票でよく見る表現を、
採用側の視点で翻訳していきます。
もちろん、これから紹介する表現がすべて悪い意味とは限りません。
本当に良い職場もあります。
ただ、求人票の言葉をそのまま受け取るのではなく、
面接や見学で確認すべきサインとして読むことが大切です。

「アットホームな職場です」
求人票でよく見る表現です。
もちろん、本当に人間関係が良い職場のこともあります。
ただし、採用側の視点で見ると、
この言葉は少し注意が必要です。
なぜなら、給与・休日・設備・教育制度など、
具体的にアピールできる条件が少ないときに使われやすい表現でもあるからです。
「アットホーム」という言葉だけでは、実態は分かりません。
面接では、こう聞いてみてください。
- どのような点でアットホームなのか
- スタッフ同士の連携はどのように行っているのか
- リハ科内の年齢構成はどうなっているのか
- 直近で退職した人はいるのか
「アットホーム」の中身を具体的に確認することが大切です。
「やりがいのある仕事です」「成長できる環境です」
これもよくある表現です。
やりがい。
成長。
スキルアップ。
どれも大事です。
ただし、注意したいのは、
労働条件の話が、やりがいや成長の話に置き換えられている場合です。
やりがいは大切です。
でも、やりがいだけでは生活は成り立ちません。
転職では、次のような条件も必ず確認してください。
- 基本給
- 賞与実績
- 昇給制度
- 残業時間
- 休日数
- 有給取得率
- 研修制度の具体的な内容
「成長できる環境」と書いてあるなら、
どのように成長できるのかまで確認しましょう。
「20代〜30代の若いスタッフが活躍中!」
この表現は、活気のある職場に見えます。
実際に、若いスタッフが多く、
明るく前向きな職場のこともあります。
ただし、別の見方もできます。
それは、
中堅・ベテランが定着していない可能性です。
本当に長く働きやすい職場であれば、
若手だけでなく、中堅やベテランも一定数いるはずです。
確認したいのは、年齢の若さではありません。
平均勤続年数です。
面接では、こう聞いてみてください。
- リハスタッフの平均勤続年数はどれくらいですか
- 中堅スタッフは何名いますか
- 直近1〜2年の退職者数はどれくらいですか
- 新人教育は誰が担当していますか
若い職場が悪いわけではありません。
ただ、若手が多い理由は確認しておきましょう。
「未経験者歓迎」「教育体制充実」
この表現も、求職者にとっては安心材料に見えます。
特に、経験が浅い人やブランクがある人にとっては魅力的です。
もちろん、本当に教育体制が整っている職場もあります。
ただし、注意点もあります。
経験者が定着せず、
常に新人や未経験者を採用している可能性もあるからです。
大切なのは、
「教育体制充実」という言葉ではありません。
具体的にどんな教育があるかです。
確認するなら、次のポイントです。
- プリセプター制度はあるか
- 入職後の研修スケジュールはあるか
- 評価やフィードバックの機会はあるか
- 何ヶ月くらいで独り立ちする想定か
- 勉強会は業務時間内か、業務時間外か
教育体制は、言葉だけでは分かりません。
仕組みとして存在しているかを確認しましょう。
「残業ほぼなし」
この言葉は、とても魅力的です。
ただし、リハ職の場合は特に注意が必要です。
なぜなら、残業時間に含まれていない仕事がある場合もあるからです。
たとえば、
- カルテ記載
- 計画書作成
- 退院時書類
- カンファレンス資料
- 委員会業務
- 勉強会準備
こういった仕事を、いつ行っているのかが重要です。
「残業ほぼなし」と書いてあっても、
実際には昼休みや勤務後に書類をしていることもあります。
面接では、こう確認してみてください。
- カルテ記載は業務時間内にできますか
- 計画書作成の時間は確保されていますか
- 勉強会や委員会は勤務時間内ですか
- 月平均の残業時間は何時間ですか
残業時間の数字だけでなく、
書類業務をいつやるのかまで確認しましょう。
給与欄の「モデル年収」「〇〇万円以上」
給与欄は特に注意が必要です。
「年収〇〇万円以上」
「モデル年収〇〇万円」
「高収入可能」
こういった表現は、魅力的に見えます。
ただし、実際には下限に近い金額からスタートすることもあります。
また、モデル年収は、
- 役職者の場合
- 残業代込みの場合
- 手当を最大限含んだ場合
- 賞与が満額出た場合
など、条件付きの数字であることもあります。
必ず確認したいのは、次の3つです。
- 基本給はいくらか
- 賞与の実績は何ヶ月分か
- 手当の内訳は何か
月給や年収だけで判断しないでください。
大事なのは、
基本給と賞与実績です。
求人票だけでは絶対に分からない3つのこと
求人票の表現を読み解くことも大切です。
ただ、それ以上に大切なことがあります。
それは、そもそも求人票には載らない情報です。
そして、その情報こそが、
転職後の満足度を大きく左右します。
特に重要なのは、次の3つです。

① 職場の人間関係・雰囲気
転職後の満足度を大きく左右するのが、人間関係です。
リハ科の雰囲気。
上司との相性。
先輩スタッフの関わり方。
医師や看護師との関係。
他職種との連携。
こうした情報は、求人票には書かれません。
なぜなら、書きようがないからです。
「人間関係に少し課題があります」
とは、求人票には書けません。
でも、実際に働くうえでは、とても重要です。
だからこそ、見学や面接で雰囲気を確認する必要があります。
② 離職率と、その理由
次に重要なのが、離職率です。
求人票には、基本的に退職理由は書かれません。
なぜ前任者が辞めたのか。
どれくらいの頻度で人が入れ替わっているのか。
中堅スタッフは定着しているのか。
これは、求職者にとってかなり重要な情報です。
でも、施設側にとっては非常にデリケートな情報です。
そのため、求人票に自分から書くことはほとんどありません。
面接で聞くなら、やわらかく聞くのがおすすめです。
- 今回の募集背景を教えていただけますか
- 増員募集ですか、欠員募集ですか
- リハ科の平均勤続年数はどれくらいですか
- 直近で入職された方は、どのように定着されていますか
「辞めた理由は何ですか?」と直接聞くより、
募集背景から確認すると聞きやすいです。
③ 求人票の数字と現場の実態のギャップ
求人票には数字が載っています。
たとえば、
- 残業ほぼなし
- 年間休日〇日
- 月給〇万円以上
- 教育体制充実
- 有給取得しやすい
ただし、数字や言葉だけでは実態は分かりません。
「残業ほぼなし」と書いてあっても、
書類業務が勤務時間外に発生しているかもしれません。
「教育体制充実」と書いてあっても、
実際には先輩に聞きにくい雰囲気かもしれません。
「有給取得しやすい」と書いてあっても、
リハスタッフの人数が少なく、取りづらい可能性もあります。
求人票の数字と、現場の実態。
このギャップが、
入職後の「こんなはずじゃなかった」を生みます。
見えない情報をどうやって手に入れるか
ここまで読むと、こう思うかもしれません。
「大事な情報ほど求人票に載らないなら、どうやって見極めればいいの?」
方法は大きく3つあります。

方法① 面接・見学で自分の目で確かめる
まず大切なのは、職場見学です。
可能であれば、面接だけでなく、
実際のリハ室やスタッフの様子を見せてもらいましょう。
見学で見るポイントは、次の通りです。
- スタッフの表情
- 患者さんへの接し方
- リハ室の雰囲気
- スタッフ同士の会話
- 医師や看護師との距離感
- 忙しそうな時間帯の空気
求人票では分からないことが、
現場を見るだけで分かることもあります。
良い施設ほど、見学や質問に誠実に対応してくれます。
逆に、質問を濁す場合は注意が必要です。
方法② 口コミサイトを参考にする
転職口コミサイトを見るのも一つの方法です。
ただし、口コミは注意して見てください。
なぜなら、口コミには退職者の主観が強く出やすいからです。
特に、不満を持って辞めた人の声は、強くなりやすいです。
そのため、口コミは鵜呑みにしない方がいいです。
見るときのポイントは、
1件の口コミではなく、複数の口コミに共通している内容です。
たとえば、
- 残業が多いという声が複数ある
- 人間関係に関する指摘が多い
- 教育体制への不満が繰り返し出ている
- 給与や賞与の不満が多い
こうした共通点がある場合は、面接で確認した方がよいです。
口コミは、判断材料の一つとして使いましょう。
方法③ 転職エージェントから内部情報を聞く
最も現実的なのが、転職エージェントを使う方法です。
リハ職専門の転職エージェントは、求人票に載らない情報を持っていることがあります。
たとえば、
- 職場の雰囲気
- 離職率
- 前任者の退職理由
- リハ科の人員体制
- 残業の実態
- 教育体制の中身
- 面接で見られるポイント
こうした情報は、個人ではなかなか集めにくいです。
採用側から見ても、
エージェントは施設に対してヒアリングをしています。
そのため、求人票だけでは分からない情報を、
第三者の立場で教えてくれることがあります。
もちろん、担当者の質には差があります。
だからこそ、エージェントの言葉も鵜呑みにせず、
面接や見学で確認することが大切です。
ただ、求人票だけで判断するよりは、
情報量が増えるのは間違いありません。
転職エージェントの使い分けは下記のブログで詳しく説明しています😊

求人票を見るときに確認したい質問リスト
最後に、面接や見学で使える質問をまとめます。
求人票を見て気になった部分は、
遠慮せずに確認しましょう。
労働条件について
- 月平均の残業時間はどれくらいですか
- カルテや計画書は業務時間内に書けますか
- 有給はどれくらい取得されていますか
- 賞与の昨年度実績は何ヶ月分ですか
- 基本給と手当の内訳を教えていただけますか
教育体制について
- 入職後の教育スケジュールはありますか
- プリセプター制度はありますか
- 研修や勉強会は勤務時間内ですか
- 独り立ちまでの目安はどれくらいですか
職場環境について
- リハスタッフの平均勤続年数はどれくらいですか
- 今回の募集は増員ですか、欠員ですか
- リハ科の年齢構成を教えていただけますか
- 他職種との連携はどのように行っていますか
現場の実態について
- 1日の担当単位数はどれくらいですか
- 担当患者数の目安はどれくらいですか
- カンファレンスや委員会業務はありますか
- 新人や中途入職者のフォロー体制はありますか
質問することは、失礼ではありません。
むしろ、真剣に転職を考えている人ほど、
確認すべきことです。
まとめ:求人票は「広告」。本当の情報は別ルートで集める
リハ職の転職で、
「聞いていた話と違った」が起きることがあります。
でも、それはあなたの見る目がないからではありません。
そもそも求人票は、施設の広告です。
そして、求職者が本当に知りたいことほど、
求人票には書かれていないことが多いです。
求人票を見るときは、次の視点を持ってください。
- 求人票の表現は、額面通りに受け取らない
- 「確認すべきサイン」として読む
- 人間関係や離職率は求人票だけでは分からない
- 残業や教育体制は、具体的に確認する
- 面接・見学・口コミ・エージェントを使って情報を集める
求人票を作ってきた立場から、最後に断言します。
良い情報を持っている人が、良い転職をします。
求人票の言葉だけに振り回されないでください。
その裏側まで見にいくこと。
それが、転職で後悔しないための第一歩です。
参考になれば幸いです😊

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