階段がつらい、歩くとズキッとする、正座ができない…。
「痛み止めに頼り続けて大丈夫?」「手術しかないのかな…」と不安になっていませんか?
でも実は、股・膝の変形性関節症(OA:Osteoarthritis)は、薬以外にできる“基本ケア”がたくさんあります。
今回は、ヨーロッパの専門家集団EULAR(European League Against Rheumatism)がまとめた、“非薬物療法のコア管理”11の推奨を、医療知識がない方でもスッと読める形で整理します。 Fernandes L 2013
- この記事でわかること(3分で全体像)📌
- そもそも、この論文はどんな内容?🔎
- まず結論:土台になる“コア”はこれ✅
- ① 最初は“体だけ”じゃなく生活も含めて評価する📝
- ② 治療は“あなた仕様”に調整する🎯
- ③「全部やる」より“パッケージで組み合わせる”🧩
- ④ 生活改善は「目標」+「フォロー」がカギ📅
- ⑤ 説明(教育)は「あなたに合わせて」「繰り返し」📣
- ⑥ 運動は「やり方」も選べる(個別・集団・プールなど)🏊♀️
- ⑦ “毎日できる運動”の中身は3本柱💪🚶♀️🧘
- ⑧ 体重管理は「やり方」が超具体的🍽️📉
- ⑨ 靴は“やわらかく支える”が基本👟
- ⑩ 杖・家や職場の工夫で“痛みを減らして動ける”🦯🏠
- ⑪ 仕事の悩みもケアの一部:職業リハビリへ💼
- 注意点(ここ大事)⚠️
- さいごに🍀
この記事でわかること(3分で全体像)📌
- 何から始めればいいか(最初の一手)
- 運動はどうやって続けると良いか
- 体重管理・靴・杖など“痛みを減らす工夫”
- 仕事中の痛みや働き方まで含めた考え方
そもそも、この論文はどんな内容?🔎
このEULAR推奨は、専門家21名が議論を重ね(デルファイ法など)、2012年2月までの研究を系統的に集めて、11個の推奨を作っています。 Fernandes L 2013
推奨ごとに「根拠の強さ」と「専門家の一致度」が示され、全体として一致度は高めでした(平均の同意度が高い範囲)。 Fernandes L 2013
まず結論:土台になる“コア”はこれ✅
EULARは「基本のパッケージ(管理プラン)」として、次を中心に組み合わせることを推奨しています。 Fernandes L 2013
- 病気の説明と学び(情報・教育)
- 活動の調整(やり過ぎない工夫)
- あなたに合った運動
- 必要なら体重管理
- 靴の工夫
- 必要なら杖などの補助具
「薬をやめよう」ではなく、“生活の中で痛みを減らす土台を作る”イメージです。
EULAR推奨11項目を、超わかりやすく解説📘
① 最初は“体だけ”じゃなく生活も含めて評価する📝
初回の評価は、痛みだけでなく、疲れ・睡眠・筋力・動き、日常生活、仕事や趣味、気分、セルフケアのやる気まで含めて見る考え方が推奨されています(生物心理社会的アプローチ)。 Fernandes L 2013 Fernandes L 2013
理由はシンプルで、痛みの出方は生活背景とセットだからです。
② 治療は“あなた仕様”に調整する🎯
同じ膝の痛みでも、年齢・体重・生活・動かし方・痛みの強さは人それぞれ。
だから、本人の希望もふまえて個別化(テーラーメイド)することが推奨されています。 Fernandes L 2013
③「全部やる」より“パッケージで組み合わせる”🧩
単発の方法ではなく、教育+運動+(必要なら)体重のように組み合わせると効果が出やすい、という位置づけです。 Fernandes L 2013
④ 生活改善は「目標」+「フォロー」がカギ📅
生活を変えるのは難しいので、
- 長期・短期ゴール
- 実行プラン
- 定期的な評価と微調整
が推奨されています。 Fernandes L 2013
研究でも、目標設定+行動計画+1年以上のフォローが共通点として挙げられています。 Fernandes L 2013
⑤ 説明(教育)は「あなたに合わせて」「繰り返し」📣
情報提供は、性格や理解度に合わせて、診療のあらゆる場面で行い、次回以降も補強することが推奨されています。 Fernandes L 2013 Fernandes L 2013
紙の資料や動画など、あなたが続けやすい形を選ぶのもポイントです。 Fernandes L 2013
⑥ 運動は「やり方」も選べる(個別・集団・プールなど)🏊♀️
運動指導は、個別か集団か、プールを使うかなど、好みと地域の環境に合わせて選ぶことが推奨されています。 Fernandes L 2013
さらに大事な原則がこちら👇 Fernandes L 2013
- 少しずつ、こまめに(“少量を頻回”)
- 日常にひも付ける(例:朝のシャワー前)
- 今できるレベルから始め、数か月かけて増やす
⑦ “毎日できる運動”の中身は3本柱💪🚶♀️🧘
推奨されている運動メニューは、ざっくり言うとこの3つです。 Fernandes L 2013
- 筋力トレーニング(等尺性=関節を大きく動かさず力を入れる)
太ももの前(大腿四頭筋)や股関節まわりを含む Fernandes L 2013 - 有酸素運動(歩く・自転車など) Fernandes L 2013
- 関節の動き・ストレッチ Fernandes L 2013
ポイント:最初は“正解の運動”より、続く形にすることが勝ちです。
⑧ 体重管理は「やり方」が超具体的🍽️📉
体重を減らす必要がある人には、成功しやすい戦略を組み込むことが推奨されています。 Fernandes L 2013
例として論文内には、
- 月1回の体重記録
- 定期的な支援ミーティング
- 活動量アップ
- 朝食から始める食事プラン
- 砂糖や脂質を減らす、野菜果物を増やす、量を調整
などが並びます。 Fernandes L 2013 Fernandes L 2013
また、高齢の肥満の人を対象に「減量目標が明確なプログラム」で平均-4kg程度の変化が示された、という整理もあります(個々人で差は大きいです)。 Fernandes L 2013
⑨ 靴は“やわらかく支える”が基本👟
適切な靴の推奨は、研究が多くない中でも「勧めるべき」という一致があった、と書かれています。 Fernandes L 2013
具体的には、
- 高いヒールは避ける
- 厚めで衝撃吸収
- 土踏まずを支える
- つま先に余裕 Fernandes L 2013
そして重要:外側が高いインソール(外側ウェッジ)は推奨が退けられた(効果がはっきりせず、足裏痛や腰痛などの報告も)。 Fernandes L 2013
⑩ 杖・家や職場の工夫で“痛みを減らして動ける”🦯🏠
杖や歩行器、椅子やトイレの高さ調整、手すり、浴槽→シャワーへの変更、乗り降りしやすい車など、生活環境の調整が例示されています。 Fernandes L 2013
「動けない→筋力低下→さらに痛い」の負のループを、道具と工夫で断ち切る発想です。
⑪ 仕事の悩みもケアの一部:職業リハビリへ💼
働いている人・復職したい人で、仕事の支障が出そうな場合は、早めに職業リハビリにつながることが推奨されています。
作業内容や時間、通勤、職場環境、補助具、周囲のサポートなど“変えられる要素”を一緒に調整します。 Fernandes L 2013
今日から使える「セルフチェック」✅
当てはまるものからでOKです。
- ☑ 痛みの波(いつ・何で増える?)をメモする
- ☑ 運動は小さく頻回にして、生活にひも付ける Fernandes L 2013
- ☑ “筋トレ+有酸素+ストレッチ”の3本柱を意識 Fernandes L 2013
- ☑ 靴を見直す(ヒール・衝撃吸収・サイズ感) Fernandes L 2013
- ☑ 必要なら杖や手すりなど環境整備 Fernandes L 2013
よくあるQ&A🙋♀️🙋♂️
Q1. 痛いときも運動していい?
A. 無理は禁物ですが、推奨は「できる範囲から開始し、数か月かけて増やす」です。痛みが強い日は軽めに調整する発想が合います。 Fernandes L 2013
Q2. どんな運動が一番いい?
A. 1つに絞るより、筋力(等尺性)+有酸素+ストレッチの組み合わせが推奨されています。 Fernandes L 2013
Q3. インソールは買った方がいい?
A. 少なくとも「外側を高くするタイプ」は効果がはっきりせず、痛みの報告もあり、推奨が退けられています。迷う場合は専門家に相談を。 Fernandes L 2013
注意点(ここ大事)⚠️
- この記事は、信頼性の高い研究をまとめたEULAR推奨をベースにしていますが、研究には限界があり、結果は“数ある研究の一例”です。体質・生活・重症度で合う方法は変わるため、鵜呑みにせず、あなたの状況に合わせて調整してください。
- 特に股関節OAは、研究が少なく、膝や混合集団の研究からの推定が含まれる点も指摘されています。 Fernandes L 2013
- 強い痛み、腫れ、急な悪化、しびれ、歩行困難がある場合は、早めに医療機関へ。この記事は診断や治療の代わりではありません。
さいごに🍀
変形性関節症は「我慢する病気」ではなく、整えていける要素が多いのが特徴です。
できるところから、今日の一歩を積み上げていきましょう。
論文情報(引用)📄
- 著者:Linda Fernandes ほか
- 論文タイトル:EULAR recommendations for the non-pharmacological core management of hip and knee osteoarthritis Fernandes L 2013
- 受理日:2013年3月24日/オンライン公開:2013年4月17日 Fernandes L 2013
- DOI:10.1136/annrheumdis-2012-202745 Fernandes L 2013
今日の一歩が、未来の元気をつくります。みんなで健康寿命を延ばしていきましょう!!

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