「ひざが痛いけど、何をしたらいいか分からない…」
「湿布や注射、サプリ…情報が多すぎて迷う」
「運動がいいって聞くけど、悪化しそうで怖い」
そんな“モヤモヤ”を、信頼性の高い診療ガイドライン(治療の指針)をまとめた研究でスッキリ整理します。
この論文は、世界の複数の診療ガイドライン(CPG:Clinical Practice Guideline)を集めて、質の高いものを選び、共通して勧められている治療の「軸」をまとめたシステマティックレビュー(研究をまとめて検証する方法)です。 Conley B 2023
まず結論:変形性関節症で「最初にやるべき」こと✅
この研究で、質の高いガイドラインに共通していた「まずやるべき(should do)」は次の7つでした。 Conley B 2023 Conley B 2023
① 運動(きつくない運動でOK)🏃♀️
- 筋トレ(筋力アップ)
- 有酸素運動(息が少し弾む程度)
- 太極拳(ゆっくり動くタイプの運動)
などが複数のガイドラインで強く推奨されていました。 Conley B 2023
👉ポイント:「この運動が最強!」は決まっていないので、
あなたの体力・痛み・好みに合わせて続けられる形が大事です。 Conley B 2023
② 教育(知るだけで痛みの不安が減ることも)📘
ガイドラインが推す“教育”は、説教ではなく「不安を減らして、続けやすくするための情報」です。
- 変形性関節症がどんな状態か
- どんな治療の選択肢があるか
- 運動のやり方、生活の工夫(姿勢・負担の減らし方)
- ペース配分(やりすぎ防止)や補助具の使い方
などが含まれます。 Conley B 2023
③ 体重管理(必要な人だけでOK)⚖️
BMI(Body Mass Index:体格指数)が高めの方で、ひざ・股関節の症状がある場合は、体重管理が強く勧められています。 Conley B 2023
- 目標の一例:体重の5.0〜7.5%の減量(該当する人向け)
- 減量幅が大きいほど、症状改善につながる可能性がある
とされています。 Conley B 2023
※ここは「痩せなきゃダメ!」ではなく、関節への負担を減らす“選択肢”として考えるのがコツ。
④ 痛み止め(NSAIDs)💊
NSAIDs(Nonsteroidal Anti-Inflammatory Drugs:非ステロイド性抗炎症薬)は、複数のガイドラインで推奨。
ただし共通しているのは、「短期間・低用量」「効かなければ見直す」「副作用に注意」というスタンスです。 Conley B 2023
さらに、塗り薬タイプ(外用NSAIDs)も推奨されており、特に高齢の方や、痛い関節が少ない場合に検討されやすい、という記載もあります。 Conley B 2023
⑤ 手の装具(手の変形性関節症の人)🖐️
手の関節に症状がある人では、装具(サポーターのようなもの)が強く推奨されています。
痛みの軽減、動かしやすさ、悪化予防に役立つ可能性が示されています。 Conley B 2023
⑥ 患者中心のケア(あなたの生活に合わせる)🤝
「痛みだけ」ではなく、生活・仕事・家事・趣味まで含めて、
医療者と一緒に決める(共有して決める)ことが推奨されています。 Conley B 2023
⑦ 手術(最後の切り札)🏥
手術は「すぐ」ではなく、
- 画像で変形性関節症が確認され
- 生活の支障が大きく
- 他の方法で痛みが十分に改善しない
といった条件で検討される、という整理です。 Conley B 2023
「やってもいいかも(could do)」は?🌿
ガイドラインでは、状況によっては選択肢になるものも挙がっています。例:
- バランス運動、ヨガ
- 補助具(杖など)
- 認知行動療法(CBT:考え方と行動のクセを整える心理療法)
- 一部の注射(超音波で狙う注射など)
- デュロキセチン(duloxetine:痛みの感じ方に関わる神経にも作用する薬)
など。 Conley B 2023
👉ここは「万人におすすめ」ではなく、合う人に合うという位置づけです。
「基本おすすめしない(do not do)」も知っておくと迷いにくい🙅♀️
この研究では、複数のガイドラインで「おすすめしない」に寄ったものも整理されています。 Conley B 2023
代表例:
- 治療としての超音波(therapeutic ultrasound:機器を当てる治療) Conley B 2023
- ビスホスホネート(骨粗しょう症治療薬として有名)、コルヒチン、メトトレキサート、ジアセレイン Conley B 2023
- グルコサミン+コンドロイチンの併用(特に股関節や多関節で) Conley B 2023
- 手術後の一部デバイス(CPMや冷却装置など) Conley B 2023
※「あなたが今やっている治療はダメ」という意味ではありません。“全体として推奨が弱い/否定寄り”という整理なので、個別の事情は主治医とすり合わせが大切です。
それでも割れるもの:マッサージ・鍼・手技療法は?🤔
この論文は、「ガイドライン間で意見が割れているもの(no consensus)」も挙げています。
例:
- 手技療法(manual therapy)
- 鍼(acupuncture)、ドライニードリング
- マッサージ、温冷、電気治療、テーピング、靴の中敷き
- 注射(ヒアルロン酸、PRP、幹細胞など)
- アセトアミノフェン、オピオイド(強い鎮痛薬)
- サプリ系(nutraceuticals) など Conley B 2023
特に、手技療法はガイドラインで不一致があり、臨床ではよく使われているという指摘があります。 Conley B 2023
→ つまり「効く人もいるかもしれないけど、全体として推奨が固まりきっていない」という位置づけです。
今日からできる「迷わない始め方」💡(ここが一番大事)
変形性関節症のセルフケアは、頑張りすぎると続きません。“小さく始めて、少しずつ増やす”が最強です。
STEP1:痛みのルールを決める
- 痛みが0〜10で「3〜4以内」なら継続OK
- 翌日に痛みが強く残るなら、量を減らす
STEP2:運動は“3点セット”で
- 筋トレ:週2〜3回(短時間でOK)
- 有酸素:できる日は10〜20分
- 動かす体操:毎日ちょこっと
STEP3:痛みが強い時は“いったん守る”
- 無理して続けず、休む/負荷を下げる
- 薬は自己判断で増減せず、相談しながら調整
注意点(必ず読んでね)⚠️
- この記事は、論文の内容をもとにした一般向けの情報提供です。治療の最適解は、年齢・痛みの強さ・合併症などで変わります。
- また、この結果はできるだけ信頼度の高い論文(ガイドラインの統合研究)を参考にしていますが、医学研究にはさまざまな研究があり、これはその一例です。鵜呑みにせず、症状が強い場合や不安がある場合は医療機関に相談してください。 Conley B 2023
論文情報(引用)
著者:Brooke Conley ほか
掲載年:2023年(採択:2023年2月7日)
論文タイトル:Core Recommendations for Osteoarthritis Care: A Systematic Review of Clinical Practice Guidelines
DOI:10.1002/acr.25101 Conley B 2023
今日の一歩が、未来の元気をつくります。みんなで健康寿命を延ばしていきましょう!!

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