【最新版】産後の骨盤痛が長引く理由とは?予測因子を徹底解説!

医療・健康
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📝論文タイトル:Predictive Factors for Pregnancy-Related Persistent Pelvic Girdle Pain (PPGP): A Systematic Review
👩‍⚕️著者:Burani E, Marruganti S, Giglioni G ほか
📅発表日:2023年12月5日
📚掲載誌:Medicina 2023, 59, 2123
🔗DOI10.3390/medicina59122123


💬はじめに|産後ママの“あるある悩み”から

👩「出産後、腰や骨盤の痛みがなかなか治らない…
👱‍♀️は治ってるのに、なんで私だけ?」

そんな不安を抱えているママ、少なくありません。
実はこの痛み、**妊娠関連骨盤帯痛(PPGP:Pregnancy-Related Pelvic Girdle Pain)**と呼ばれ、産後も慢性化することがあるのです。

今回紹介するのは、PPGPが3ヶ月以上続く女性の特徴(リスク因子)を明らかにしたシステマティックレビューです📚
10本の前向き研究を分析した、信頼性の高い内容になっています。


🔎PPGPってどんな症状?

PPGPとは、妊娠中または出産後に感じる骨盤周辺の痛みのこと。
特に**お尻のあたり(仙腸関節付近)**に痛みが出やすく、太ももの裏まで響くこともあります。

発症は、妊娠初期~出産後1ヶ月以内が多く、多くの人は6週間以内に回復しますが、約3人に1人は3ヶ月以上続き、8.5%の人が2年後も痛みが残ると言われています。


📌この研究の目的と方法

目的:PPGPが長引く女性に共通する“予測因子”を明らかにすること。

対象:妊娠中または出産直後にPPGPがあった女性。
追跡期間:産後3ヶ月〜12年まで(研究により異なる)
分析対象:10本の前向きコホート研究(観察研究)


🚨これが要注意!PPGPが長引く6つのリスク因子

調査の結果、以下の6つが特にPPGPの持続と関連が強いとわかりました👇


① 妊娠中の痛みが強かった(VASスコアが高い)

  • 痛みの強さ(Visual Analog Scale:VAS)が6以上だった人は、産後も痛みが残る傾向
  • オッズ比(OR)1.6〜2.0
    👉痛みが強い人ほど慢性化しやすい
    OR(オッズ比):ある要因がある人とない人で、病気がどれくらい起こりやすいかを示す指標
     → 例:OR=2.0 → リスク2倍!

② 誘発テストで陽性が多かった

  • 骨盤周囲の圧痛・動作テスト(例:P4テスト、ASLRなど)で6〜16個以上陽性
  • OR:3.5〜10.7
    👉臨床でチェックできる指標なので、妊娠中の検査で予測可能!

③ 妊娠前から腰痛があった

  • 妊娠前や妊娠初期から腰痛や骨盤痛があった人は要注意
  • OR:2.4〜4.4
    👉再発や慢性化リスクが高い傾向

④ 妊娠中の「生活障害度」が高かった

  • 日常生活に支障が出るほどの不便さ(ODI、DRIなど)
  • OR:5.2、HR:2.1
    👉痛み+動きづらさがあるとリスク増!

HR=ハザード比(回復スピードへの影響


⑤ 「痛みを恐れて動けない」思考(FABQスコアが高い)

  • FABQ(Fear-Avoidance Beliefs Questionnaire)=痛みを避けようとしすぎる考え方
  • OR:1.06(数値は小さいが、重要な心理因子)
    👉動かないことで筋力や機能が落ち、悪循環に

⑥ 神経質傾向(ネガティブ思考が強め)

  • 性格傾向で「神経症的傾向」があると痛みが長引く傾向
  • OR:2.03
    👉不安を感じやすい人は、PPGPが慢性化しやすい可能性

❓逆に「関連なし」とされたもの

以下は今回のレビューで「長期的なPPGPと明確な関係がない」とされた項目です:

  • 出産方法(自然・帝王切開)
  • 子どもの性別や体重
  • 妊娠回数や既往歴
  • 感情的ストレス、睡眠障害
  • 腹直筋離開(いわゆる“お腹の割れ目”)

🤖なぜこの研究が信頼できるの?

  • 前向き研究×10本を統合したレビューで、エビデンスレベルが高い
  • 評価に**QUIPSツール(バイアスリスクの評価基準)**を使用
  • 5本は低リスク、5本は中リスクの研究と分類

🧭リハビリ部長のまとめと提案

妊娠・出産を経験したすべての方に言いたいのはこれ👇

💬「痛みが強い・長引いてる」「不安で動けない」
そんな時は、我慢せず専門家(整形外科医・理学療法士など)に相談しましょう!

また、妊娠中からの早期スクリーニングも有効です。
産婦人科や助産師との連携で「予測→予防→対応」のサイクルを作ることがカギです。


⚠️注意点(必読)

この結果は、信頼性の高い文献に基づいていますが、あくまで研究の一例であり、すべての人に当てはまるわけではありません。
ご自身の状態については、必ず医師や専門家にご相談ください。

今日の一歩が、未来の元気をつくります🌱
みんなで健康寿命を延ばしていきましょう!!

それではまた次回!😊

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