👨🦰「お腹まわりがなかなかへらない…💦」
👩🦱「お薬も増えてきて、このままで大丈夫かな…」
👨🦱「ケトジェニックダイエットって聞くけど、2型糖尿病でもやっていいの?」
そんなモヤモヤを感じて、このブログを開いてくださった方が多いと思います。
今日は、肥満をともなう2型糖尿病患者さん611人を対象にした
ケトジェニックダイエットのメタ分析(複数の研究をまとめた研究)をご紹介します。Zhou Cv2022
「値段の高い本や怪しいSNSの情報」ではなく、
きちんとした臨床試験をまとめた論文をベースに、
一般の方向けにわかりやすくかみくだいて解説していきますね😊
1. この論文はどんな研究?
扱っているのは、こちらのテーマです👇
「肥満をともなう2型糖尿病の人に、ケトジェニックダイエットをすると、
体重・血糖コントロール・脂質プロフィールはどう変わるのか?」Zhou Cv2022
研究のポイント
- 対象:2型糖尿病(T2DM)で、BMI(ボディマス指数)25以上の“太りぎみ以上”の人
- 解析した試験:ランダム化比較試験(RCT:あみだくじのようにグループ分けして公平に比べる研究)8本Zhou Cv2022
- 合計人数:611人(ケトジェニック群331人、他の食事療法群280人)
- 期間:3か月〜2年
- 比べた項目
- 体重・BMI・ウエスト
- 血糖コントロール:
- HbA1c(過去2〜3か月の平均血糖を示す指標)
- 空腹時血糖
- 空腹時インスリン、HOMA-IR(インスリン抵抗性の指標)
- 脂質:
- 中性脂肪(トリグリセライド)
- HDL(善玉コレステロール)
- LDL(悪玉コレステロール)
- 総コレステロール
2. ケトジェニックダイエットってそもそも何?
論文では、「1日あたり炭水化物量が50g未満」の食事を
ケトジェニック/非常に低炭水化物食として扱っています。Zhou Cv2022
ざっくり言うと…
- 脂質多め(例:70%前後)
- たんぱく質はふつう(20%前後)
- 炭水化物はかなり少なめ(10%前後)
というバランスの食事です。
「超低カロリー」までカロリーを削るのではなく、糖質をぐっと減らすスタイルです。
炭水化物が少ないと、体は
- ぶどう糖の代わりに 脂肪を燃やして「ケトン体」 をエネルギー源として使うようになります。
これがいわゆる「ケトーシス」の状態ですね。
3. 体重・お腹まわりにはどんな効果?
✅ 体重は「他の食事よりよく落ちた」
8本すべての試験で、ケトジェニック群の方が体重減少が大きい傾向でした。Zhou Cv2022
- 体重:他の食事療法より明らかに大きく減少
- 結果のばらつきはあるものの、全体としてはケトジェニック有利
論文は「標準化平均差(研究ごとの単位の違いをそろえるための統計指標)」で評価していて、
ケトジェニック群の方が有意に大きな体重減少となっていました。
✅ ウエスト(お腹まわり)も細くなりやすい
- ウエスト周囲径も、ケトジェニック群でしっかり減少していました。Zhou Cv2022
ウエストは内臓脂肪の目安で、
心臓病や脳卒中などのリスクとも深く関係します。
「体重だけじゃなく、お腹まわりもすっきりしたい」
という方には、かなりうれしいポイントですね✨
❓BMIは大差なし
面白いことに、BMIの変化は統計的には有意差なしでした。Zhou Cv2022
- BMIは身長と体重だけで決まるので、
- 体重の落ち方
- 期間
- 研究ごとの条件
などで結果が平均化されてしまった可能性があります。
4. 血糖コントロールはどうなる?
✅ HbA1cは「小さいけれど有意に改善」
- HbA1cは、ケトジェニック群で有意に大きく下がっていました。Zhou Cv2022
- 差は「劇的」ではありませんが、
統計的にはハッキリ「改善している」と言えるレベルです。
HbA1cは合併症リスクとも直結する指標なので、
この小さな差でも長期的には意味がある可能性があります。
😐 空腹時血糖やインスリンは「大きな差なし」
- 空腹時血糖
- 空腹時インスリン
- HOMA-IR(インスリン抵抗性)
これらは全体としては有意な差は出ませんでした。Zhou Cv2022
ただし、
- 空腹時インスリンはケトジェニック群で「ぎりぎり有意に近い」レベルで減少しており、
「インスリン抵抗性が改善している可能性」は示唆されています。
5. 脂質(コレステロール・中性脂肪)は?
「脂質多めの食事なんて、コレステロールが悪化しないの?」
ここ、すごく気になりますよね👀
✅ 中性脂肪(TG)はしっかり減少
- 中性脂肪(TG:トリグリセライド)は、ケトジェニック群で有意に減少しました。Zhou Cv2022
中性脂肪は、動脈硬化や心筋梗塞のリスクに関わるので、
ここが下がるのは良いニュースです。
✅ HDL(善玉コレステロール)は増える
- HDLコレステロールは、ケトジェニック群で有意に増加。Zhou Cv2022
HDLは「血管のお掃除役」といわれる善玉コレステロールなので、
増えると心血管リスク低下につながる可能性があります。
😐 総コレステロール・LDL(悪玉)はほぼ変わらず
- 総コレステロール
- LDLコレステロール(悪玉)
これらは、ケトジェニック群と他の食事療法群で有意な差は出ませんでした。Zhou Cv2022
「脂質多め=必ずコレステロール悪化」
という単純な話ではなさそう、というのがこの論文から見えるポイントです。
6. なぜそんな変化が起きるの?(かんたんメカニズム)
論文や関連研究から考えられているメカニズムを、専門用語を抑えつつやさしくまとめます。Zhou Cv2022
① 糖質を減らす → 血糖のゆらぎが小さくなる
- 炭水化物をしっかり減らすことで、
食後血糖の急上昇が起きにくくなる - 結果として、HbA1cが少しずつ下がりやすい
② 脂肪をエネルギーとして使う
- ケトーシスの状態では、脂肪を積極的に燃やす方向に代謝がシフト
- その過程で、
- 体重減少
- ウエスト減少
につながると考えられています。
③ 食欲が少し抑えられる?
一部の研究では、
- ケトン体そのものの作用
- 満腹ホルモンの変化
などを通じて空腹感がやわらぐ可能性も言われています。Zhou Cv2022
「食事制限はいつもお腹が空いて続かない…」
という方にとって、ここはメリットになるかもしれませんね。
7. とはいえ、誰にでも安全におすすめできるわけではありません⚠️
ここがとても大事なポイントです。
✅ この論文から言えるのは「選択肢のひとつ」
このメタ分析は、
- 条件を満たした肥満をともなう2型糖尿病患者さん
- 医療スタッフのサポートつき
- 3か月〜2年という期間
という、限られた条件での結果です。Zhou Cv2022
つまり、
「ケトジェニックなら誰でも必ずやせて血糖もよくなる」
という意味ではまったくありません。
✅ 向いていない可能性が高い人の例
以下に当てはまる方は、必ず主治医に相談してからにしてください。
- 腎臓病・肝臓病など、臓器の持病がある
- 妊娠中・授乳中
- 摂食障害の既往がある
- 高齢で、やせすぎ・フレイル(筋力低下)が心配
- インスリンや低血糖を起こしやすい薬を使用中
糖質を急に減らすと、低血糖のリスクが上がることもあります。
お薬の量を調整する必要が出てくるので、自己判断での開始は危険です。
✅ ありがちな副作用・注意点
一般に言われているものとして、
- 便秘
- 頭痛、だるさ(いわゆる「ケトフルー」)
- 口臭の変化
- 食事内容が偏り、ビタミン・食物繊維(しょくもつせんい)が不足しやすい
などがあります。
「流行りだから」ではなく、
「自分の生活・持病・続けやすさに合っているか」
を、主治医や管理栄養士さんと一緒に考えることがとても大事です。
8. まとめ:ケトジェニックは「うまく付き合えば有力な選択肢」
このメタ分析から見えてきたポイントを、もう一度整理します。Zhou Cv2022
ケトジェニックダイエットの“良さそう”なところ
- ✅ 他の食事療法より体重が落ちやすい
- ✅ ウエスト(内臓脂肪の指標)が減りやすい
- ✅ HbA1cが小さいけれど有意に改善
- ✅ 中性脂肪が減り、HDL(善玉コレステロール)が増える
まだハッキリしない・注意が必要なところ
- 😐 空腹時血糖・インスリン・HOMA-IRの変化は「はっきりした差なし」
- 😐 LDL(悪玉)・総コレステロールは大きな差なし
- ⚠️ 研究数は8本と多くはなく、ほとんどが欧米の患者さん
- ⚠️ 長期的な安全性・心血管イベントへの影響は、まだこれからの課題
9. このブログの位置づけと大切な注意点
- 本記事は、できるだけ信頼度の高い論文(ランダム化比較試験のメタ分析)をもとにしていますが、
それでも数ある研究の一例にすぎません。Zhou Cv2022 - 研究ごとに対象者・期間・食事内容・薬の使い方などが異なり、
個人にそのまま当てはまるとは限りません。 - 自己判断でお薬を減らしたり、急に糖質を極端にカットすることはとても危険です。
必ず主治医や医療スタッフと相談したうえで、
自分に合った食事療法を一緒に考えていきましょう。
10. 今日からできる「小さな一歩」アイデア
最後に、いきなりガチガチのケトジェニックではなく、
「ケト的な考えをちょっと取り入れる」ための一歩をご紹介します。
- 🍽 ごはん・パン・麺を「いつもの7〜8割」にしてみる
- 🥗 代わりに、おかず(たんぱく質+野菜)を少し多めにしてみる
- 🍫 おやつは、甘いものを毎日→週2〜3回に減らしてみる
- 🚶♀️ 食後10〜15分のゆっくり散歩をくわえる(血糖の急上昇をやわらげる効果が期待できます)
「完全ケト」か「何もしないか」の二択ではなく、
自分のペースで続けられる“中間地点”を探すことが、
健康寿命(けんこうじゅみょう)をのばすいちばん現実的な道です😊
※本記事は、下記の論文を参考に作成しています(詳細は論文情報を参照してください)。
今日の一歩が、未来の元気をつくります。みんなで健康寿命を延ばしていきましょう!!
論文情報
Zhou C, Wang M, Liang J, He G, Chen N.
Ketogenic Diet Benefits to Weight Loss, Glycemic Control, and Lipid Profiles in Overweight Patients with Type 2 Diabetes Mellitus: A Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials.
International Journal of Environmental Research and Public Health. 2022;19:10429.
DOI: 10.3390/ijerph191610429 Zhou Cv2022

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