「いろいろ試したのに、もう痩せない…」と感じていませんか?
- 👩🦱カロリーを減らしてもすぐリバウンドする
- 👨🦰更年期に入ってから体重が落ちにくくなった
- 👱♀️糖質制限ダイエットが気になるけど、体に悪くないか心配…
そんな、40〜60代の女性に多いお悩みに関係しそうな論文が、今回ご紹介する
「超低カロリーケトジェニックダイエット(VLCKD)」に関するヨーロッパのガイドラインです。Muscogiuri G 2021
この記事では、
- VLCKDってどんなダイエットか
- どれくらい体重が減ったのか
- 血糖やコレステロールへの影響
- 安全性と注意点
を、医学論文の内容をかみ砕いてお伝えします😊
※治療法をすすめる記事ではなく、「こんな選択肢が研究されていますよ」という情報提供です。
超低カロリーケトジェニックダイエット(VLCKD)とは?
まず言葉の整理から👇
VLCKD(ブイエルシーケーディー)
= Very Low-Calorie Ketogenic Diet の略
= 超低カロリーケトジェニックダイエット
論文では、次のように定義されています。Muscogiuri G 2021
- 総カロリー:500〜800kcal/日程度
- 糖質:1日50g未満
- たんぱく質:理想体重1kgあたり1〜1.5g
- 脂質:1日15〜30g
糖質をかなり少なくすることで、ケトン体(エネルギー源として使われる物質)を作り出し、
それを燃やしていくケトジェニック(ケトン産生)状態に入るのがポイントです。
VLCKDの3つのステージ
論文では、VLCKDは段階的なプログラムとして紹介されています。Muscogiuri G 2021
1️⃣ アクティブ期(積極的減量期)
- 600〜800kcal/日
- 糖質はほぼ野菜のみ(50g未満)
- 高たんぱく質の専用の置き換え食+低糖質の野菜が中心
- 体重目標の約80%減量まで続ける(目安8〜12週)
2️⃣ 再教育期(リバウンド予防の食事練習)
- フルーツ、乳製品 → 豆類 → パン・ごはん・麺
の順に糖質を少しずつ戻していく - カロリーは約800〜1500kcal/日に増やす
3️⃣ 維持期(メンテナンス期)
- 1500〜2000kcal/日のバランス食
- 長期的な体重維持と生活習慣の改善が目的
👉 つまり、「一生ケトジェニックを続ける」わけではなく、
“しっかり減らす → 少しずつ戻す →維持する”というプログラム型ダイエットです。
※ここまでかなりハードな内容なので、自己流でマネするのはNGです⚠️
必ず医師や専門家の管理のもとでのみ行うことが前提とされています。
どれくらい体重が減ったの?(メタアナリシスの結果)
このガイドライン論文は、15本の研究をまとめたシステマティックレビュー&メタアナリシスです。Muscogiuri G 2021
ざっくりいうと、「VLCKDを行った人たちは、どれくらい痩せて、
どれくらいそれが続いたのか?」を統合して分析したものです。
体重の変化(目安)
- 1か月後:平均約7.5kg減
- 2か月後:平均約15kg減
- 4〜6か月後:平均約17kg減
- 12か月後:平均約21kg減
さらに、同じ期間で通常の低カロリーダイエット(LCD)と比べると、
VLCKDの方が平均で約7kg多く体重が減っていたと報告されています。Muscogiuri G 2021
もちろん、これはあくまで研究全体の平均で、
「誰でも必ずここまで痩せる」という意味ではありません。
体型の変化:お腹まわり・体脂肪はどうなる?
ダイエットで気になるのは「何キロ痩せたか」だけでなく、
お腹まわりや体脂肪がどう変わったかですよね。
論文では、次のような結果がまとめられています。Muscogiuri G 2021
ウエストサイズ(WC:ウェスト周囲径)
- VLCKDのあと
→ 平均約16cmウエストが細くなった
さらに、他のダイエットと比べても、
VLCKDの方が約8cm多くウエストが減っていたという結果もあります。
体脂肪量(FM)と筋肉量(FFM)
- 体脂肪量(FM:Fat Mass)
→ 平均約11kg減少 - 筋肉量(FFM:Fat Free Mass=除脂肪量)
→ 多少は減るものの、
他の極端な低カロリーダイエットよりは保たれていた研究もあります。Muscogiuri G 2021
特に一部の研究では、
VLCKDは体脂肪をしっかり落としつつ、筋肉をなるべく残すという点で
他のダイエットより有利かもしれない、とまとめられています。
血糖・コレステロールへの影響
VLCKDは、体重だけでなく血液データにも影響します。
血糖・インスリン関連
- 空腹時血糖
- HbA1c(エイチビーワンシー:長期間の血糖の平均)
- HOMA-IR(ホーマアイアール:インスリン抵抗性の指標)
これらはVLCKDによって有意に改善していました。Muscogiuri G 2021
ただし、
血糖やHbA1cの下がり方だけで見ると、
「他のしっかりした減量プログラム」と同じくらいであり、
VLCKDだけが“特別に”優れているわけではないとされています。
脂質代謝:コレステロール・中性脂肪
- 総コレステロール
- LDLコレステロール(悪玉)
- 中性脂肪(TG)
これらはVLCKD後に低下しており、
特に中性脂肪は大きく減少していました。Muscogiuri G 2021
一方で、
- HDLコレステロール(善玉)は大きな変化がないか、
別のダイエットと同程度の変化にとどまることが多かったようです。
安全性は?副作用は大丈夫?
論文では、「医療者の管理のもとであれば、VLCKDは比較的安全」と結論づけています。Muscogiuri G 2021
よくみられる軽い副作用としては…
- 頭痛
- 便秘
- 倦怠感(けんたいかん:だるさ)
- 口の渇き・口臭の変化
などが挙げられており、多くは一時的で自然におさまる、
あるいは対症療法(症状に対するケア)で対応できる程度とされています。
ただし、
- 腎臓の病気
- 重い肝臓の病気
- 妊娠中・授乳中
- 摂食障害の既往
- 特定の薬を飲んでいる方(糖尿病薬・利尿薬など)
では、VLCKDは原則として避けるべき、もしくは慎重に検討すべきとされます。
ここは自己判断せず、必ず主治医に相談が必要です。
VLCKDはどんな人に向いている「可能性」がある?
論文は「この人に絶対おすすめ」とは書いていませんが、
研究対象から考えると、次のようなパターンが多いです。
- 高度の肥満で、短期間に体重を落としたい人
(例:肥満外科手術の前に減量が必要なケース)Muscogiuri G 2021 - 生活習慣病(糖尿病・脂質異常症など)があり、医師の管理下で減量したい人
- 他のダイエットでうまくいかなかった人で、
専門チーム(医師・管理栄養士・看護師など)のフォローが受けられる人
逆に、ふだんの「ちょっと痩せたいから、
自己流で超低カロリーケトジェニックをやってみる」というのは、
リスクが高くおすすめできません。
VLCKDをしなくても活かせる「3つのヒント」
「ここまで読んだけど、さすがにVLCKDはハードだな…」
という方も多いと思います😅
そんな方に、この論文から日常生活に取り入れやすいポイントを3つだけ。
① 体重より「お腹まわり」と「体脂肪」を意識する
研究では、ウエストや体脂肪が大きく減ったことが重視されています。
健康づくりでは、体重だけでなく、
- ウエストサイズ
- 体脂肪率
も、チェックしてみましょう。
② たんぱく質をしっかりとる
VLCKDでは、筋肉量を守るためにたんぱく質を多めに確保していました。Muscogiuri G 2021
- 肉・魚・卵・大豆製品・乳製品 などを
- 毎食ちょっと意識して増やす
これだけでも、ダイエット中のふらつきや筋力低下の予防につながります。
③ 「短期間でしっかり減らして、その後キープする」という考え方
VLCKDは、
- 減量期
- 再教育期
- 維持期
という「減らす → 慣らす → 維持する」流れを重視しています。Muscogiuri G 2021
これは、普通のダイエットでも応用可能です。
- 最初の1〜2か月はややストイックに
- その後は続けられるペースに切り替えて維持
というイメージで、長く付き合えるダイエットを目指すのがおすすめです。
注意点:この論文を「鵜呑み」にしないでください
最後に、とても大事なポイントです⚠️
- 今回ご紹介した内容は、信頼度の高い医学雑誌に載ったシステマティックレビュー&メタアナリシスにもとづいています。
- とはいえ、あくまで「複数ある研究の一例」であり、すべての人に当てはまるわけではありません。
- 研究ごとに参加している人の背景(年齢・病気・生活習慣)が違い、
あなた自身の体質や持病、飲んでいる薬によって、結果は大きく変わります。
VLCKDをやってみたいと思った方は、必ず主治医や専門家に相談し、
自己流・自己判断での実践は避けてください。
まとめ
- VLCKDは、超低カロリー&糖質制限のプログラム型ダイエット
- 1年で平均20kg前後の減量が報告され、ウエストや体脂肪も大きく減った
- 血糖や中性脂肪などの血液データも改善していた
- 一方で、ハードで専門的な方法なので、医療者の管理が必須
- 日常生活では、
- お腹まわりと体脂肪を意識
- たんぱく質をしっかりとる
- 「減らす→維持する」の流れを意識
といったポイントから取り入れるのがおすすめです✨
今日の一歩が、未来の元気をつくります。
みんなで健康寿命を延ばしていきましょう!!
論文情報(引用)
Muscogiuri G, El Ghoch M, Colao A, Hassapidou M, Yumuk V, Busetto L;
Obesity Management Task Force (OMTF) of the European Association for the Study of Obesity (EASO).
European Guidelines for Obesity Management in Adults with a Very Low-Calorie Ketogenic Diet: A Systematic Review and Meta-Analysis.
Obesity Facts. 2021;14(2):222–245.
DOI: 10.1159/000515381 Muscogiuri G 2021


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