はじめに:うちの子、このままで大丈夫かな…?😢
- 小学生なのに お腹まわりがポッコリ
- 学校の検診で「肥満ぎみ」と言われてしまった
- 将来の 糖尿病や高血圧が心配…
- スマホやゲームばかりで、運動させたいけど何をどれくらいさせればいいの?
こんなモヤモヤを抱えているママ・パパ、多いと思います。
しかもネットを見ると「子どものダイエット」は、やりすぎもNG でとても難しいですよね。
そこで今回は、
「有酸素運動+筋力トレーニング」 の組み合わせが、
小児肥満や思春期の肥満にどう効くのか をまとめた、
2024年の最新システマティックレビュー(たくさんの研究をまとめて分析した論文)をご紹介します。Liu X 2024
この記事を読むと、
- 子どもに どんな運動を、どれくらい させるといいのか
- 体重だけでなく、血液検査の値(コレステロールや血糖) にどんな良い変化が出やすいのか
- 家庭で取り入れるときの 具体的なヒント
がイメージしやすくなるはずです😊
1.この研究はどんな内容?ざっくり解説
今回の論文は、
「有酸素運動+筋トレ」が、肥満ぎみ・肥満の子ども・思春期の子の
体型や代謝(たいしゃ:エネルギーの使い方)にどんな影響を与えるか?」
を調べた システマティックレビュー&メタアナリシス です。
研究のポイント
- 対象:肥満ぎみ/肥満の子ども〜思春期(5〜19歳)
- 研究数:29本の研究を統合
- 参加人数:合計 2,195人
- 比較したもの:
- 実験群:有酸素運動+筋力トレーニング(AE+RT)
- 対照群:学校生活などの 通常の活動のみ
- 期間:おおむね 6〜40週間(多くは12週間前後)
結論としては、 有酸素運動と筋トレを組み合わせることで、
- 体重や体脂肪
- お腹まわり
- 血糖やコレステロール
- 体力(心肺機能)
などが トータルに良くなる方向 に動いていました👍Liu X 2024
2.どんな「うれしい変化」が出ていたの?
2-1 体重・体脂肪:見た目にも健康にもプラス
論文では、体型の指標として
- BMI(体格指数)
- 体脂肪量(Fat Mass, FM)
- 体脂肪率(Body Fat%, BF%)
- ウエスト周囲径(Waist Circumference, WC)
などが使われています。
結果として、
- BMI:平均で約1ポイントほど低下
- 体脂肪量・体脂肪率:どちらも有意に減少
- お腹まわり(WC):数cmレベルで減少
という傾向がみられました。
もちろん 「全員が必ずやせる」わけではありません が、
体重だけでなく「脂肪そのもの」が減りやすい ことが示されています。
2-2 血液検査:メタボ予防にもつながる変化
子どもの頃から気をつけたいのが、将来のメタボリックシンドローム。
今回の研究では、以下のような 血液の項目 もチェックされています。
- TG(中性脂肪)
- TC(総コレステロール)
- HDL-C(善玉コレステロール)
- LDL-C(悪玉コレステロール)
結果はざっくり言うと、
- 中性脂肪(TG)・総コレステロール(TC)・悪玉コレステロール(LDL-C)が下がる方向
- 善玉コレステロール(HDL-C)が増える方向
という「メタボにうれしいパターン」でした✨Liu X 2024
2-3 血糖・インスリン:将来の糖尿病リスクに関わる部分
血糖まわりでは、
- FPG(空腹時血糖:Fasting Plasma Glucose)
- INS(インスリン濃度)
- HOMA-IR(インスリン抵抗性の指数)
が評価されています。
ここでも 有酸素運動+筋トレのグループは、対照群より
- 空腹時血糖(FPG)が低くなる
- インスリン抵抗性(HOMA-IR)が改善する(=数値が下がる)
という傾向が示されました。
簡単に言うと、
「同じ量のインスリンで、血糖をうまくコントロールできるカラダ」に近づく
イメージです。
2-4 体力:VO₂maxもアップ
- VO₂max(ブイオーツーマックス:最大酸素摂取量)
は、「どれだけ酸素を使って運動できるか」という 心肺機能の指標 です。
この値も、運動をしっかり行ったグループで有意にアップ。
「疲れにくく、よく動けるカラダ」づくりにも、
有酸素運動+筋トレの組み合わせが役立っていました💪Liu X 2024
2-5 炎症マーカー(hs-CRP)はハッキリせず
- hs-CRP(高感度C反応性)
という 体の炎症の程度 を表す指標では、
今回の解析では 有意な変化は見られませんでした。
炎症は食事・睡眠・ストレスなど、運動以外の要素にも大きく影響されるので、
ここは今後の研究待ち、といったところです。
3.どれくらい運動すればいいの?「処方箋」の目安
論文では、効果が出やすかった条件として、次のポイントが挙げられています。Liu X 2024
✅ おすすめの運動条件(目安)
- 期間:12週間以上
- 頻度:週3回以上
- 1回:60分以上
- 内容は
- 有酸素運動(ウォーキング・ジョギング・自転車・なわとび など)
- + 筋力トレーニング(自重スクワット・腕立て・ゴムチューブなど)
を バランスよく組み合わせる
例:小学生〜中学生向けの1日のメニューイメージ
※あくまでイメージです。実際には 年齢・体力・持病 によって調整してください。
- ウォームアップ 10分
- ラジオ体操、軽いストレッチ
- 有酸素運動 25〜30分
- 早歩き〜軽いジョギング
- 自転車こぎ
- 音楽に合わせたステップ運動 など
- 筋力トレーニング 15〜20分
- イスを使ったスクワット
- ひざつきの腕立て伏せ
- ゴムチューブを使った引っぱり運動 など
- クールダウン 5〜10分
- ゆっくり歩く+ストレッチ
ポイントは、「部活並みに追い込みすぎない」こと。
ゼーゼー息が上がりすぎない程度の 中等度(ちゅうとうど)の強さ を目安に、
楽しく続けられるレベル がベストです😊
4.年齢・性格に合わせた工夫のヒント
4-1 小学生くらいのお子さん
- 「筋トレ」よりも 遊びの中に筋力要素を入れる のがおすすめ
- 鬼ごっこ+しゃがむ動き
- 階段を使った上り下り競争
- 公園の遊具でぶら下がり
「○○回やりなさい!」より「一緒にゲームしよう!」 のほうが続きます💡
4-2 中学生・思春期の女の子にも配慮を
この論文には男女いろいろな子が含まれていますが、
実際の現場では 思春期の女の子 は
- 見た目のことを気にしている
- 周りの目が気になる
- 運動が「恥ずかしい」と感じる
ことも多いです。
- ダイエットや体重を前面に出さず、
「体力づくり」「将来の健康のため」 をテーマにする - 家族みんなで 軽いウォーキングやストレッチから 始める
- できた回数よりも、「やろうとしたこと」をほめる
といった「声かけ」が、とても大事になってきます✨
5.家庭でできる「続けやすくするコツ」💡
1)スケジュールを「習いごと化」する
- 例:月・水・金の19時は「家族ウォーキングデー」
- 予定に入れてしまうと、続けやすくなります。
2)「有酸素+筋トレ」をセットで考える
- まずは ウォーキングや自転車などの有酸素運動
- そのあとに 簡単なスクワットや腕立て、体幹トレーニング を数分追加
→ これだけでも、今回の研究で示された 有酸素+筋トレの形 に近づきます。
3)運動のハードルを下げる工夫
- 「30分できなかったから今日はナシ」ではなく
「10分だけでもOK。積み重ねが大事」 と伝える - YouTubeなどで 親子向けエクササイズ動画 を活用するのも手です。
(ただし、内容がきつすぎないものを選んでください)
4)体重だけでなく「できたこと」を記録
- 「今日は家族で20分歩いた」
- 「スクワット10回できた」
など、行動そのものをほめて記録する と、
とくに女の子には良いモチベーションになります💐
6.注意点とこの研究の限界
6-1 注意点(ここ大事です)
- この論文は、運動と健康指標の関係 をまとめた研究であり、
「このメニューをやれば必ずやせる」「病気が治る」 というものではありません。 - 研究の中には、食事指導や健康教育 も一緒に行っているものもあり、
運動だけの効果とは切り分けにくい部分もあります。Liu X 2024 - お子さんに 持病(心臓病・糖尿病・喘息など) がある場合は、
必ず 主治医と相談 してから運動量を決めてください。 - 成長期の 過度なダイエットや、極端なトレーニング は、
体や心に悪影響を及ぼす可能性があります。
「長く続けられる軽め〜中くらいの運動」をコツコツ続ける ことが大切です。
6-2 研究の限界
論文の著者たちも、いくつかの限界点を挙げています。Liu X 2024
- 年齢や性別ごとの詳しい分析は十分ではない
- 国や生活習慣の違い(中国、欧米など)が結果に影響している可能性
- 有酸素運動と筋トレの 「割合」や「順番」 など、細かいレシピまではまだ分からない
- 食事内容や睡眠など、運動以外の要因 を完全にはコントロールできていない
つまり、「とても参考になるけれど、あくまで数ある研究の一つ」 という位置づけです。
この記事の内容も 鵜呑みにせず、お子さんの様子を見ながら
医療機関・学校・栄養士さんなどと相談して調整していくこと をおすすめします。
7.まとめ:小児肥満には「有酸素+筋トレ」を楽しく長く
最後に、今回の研究から引き出せる 実践的なポイント を整理します。
✔ 小児肥満・思春期の肥満には、
有酸素運動+筋トレの組み合わせがトータルで効果的
- 体重・体脂肪・お腹まわりが下がりやすい
- 中性脂肪や悪玉コレステロールが下がり、善玉が上がる
- 血糖コントロールやインスリン抵抗性も改善方向
- 体力(VO₂max)もアップ
✔ おすすめの運動条件(目安)
- 12週間以上・週3回以上・1回60分以上
- 有酸素運動 + 筋力トレーニングをセットで行う
✔ 一番大事なのは「無理なく続けられること」
- きつすぎる運動ではなく、ちょっと息が弾む中等度の運動
- 「ダイエット」ではなく、「家族の健康づくり」 をテーマに
- 体重の数字よりも、できた行動をほめる
お子さんの将来の健康のために、
今日からの小さな一歩を、親子で一緒に始めてみませんか?🌈
参考論文情報
Liu X, Li Q, Lu F, Zhu D.
Effects of aerobic exercise combined with resistance training on body composition and metabolic health in children and adolescents with overweight or obesity: systematic review and meta-analysis.
Frontiers in Public Health. 2024; 12:1409660.
DOI: 10.3389/fpubh.2024.1409660Liu X 2024
今日の一歩が、未来の元気をつくります。みんなで健康寿命を延ばしていきましょう!!


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