こんなお悩み、ありませんか?
👱♀️「うちのコの膝や腰が痛そう… サプリは何を選べばいい?」
👨「広告が多すぎて 正直どれが本当に効くのか分からない」
👩「できればフードでケア したいけど、効果はあるの?」
ーーその疑問、**最新の系統的レビュー(しっかり集めて分析した総まとめ研究)**が答えてくれます。
要点💡
- オメガ3(エイコサペンタエン酸EPA/ドコサヘキサエン酸DHA)を強化した療法食やサプリは、痛みの軽減に有効というエビデンスがしっかり。
- カンナビジオール(CBD)は犬では有望(猫は未検討)。低用量では効果が弱い可能性。
- コラーゲンは効果が弱め。研究の質もばらつきあり。
- グルコサミン+コンドロイチンは、効果なしが優勢。推奨は見直すべきという結論。
この記事で扱う論文
Barbeau-Grégoire ら(2022)は、犬猫の変形性関節症(へんけいせい かんせつしょう:OA)における強化療法食とサプリ(ニュートラシューティカル)の有効性を57論文・72試験で検証した系統的レビュー&メタ解析です。結論は上のTL;DRの通り。
なお、OA治療の基本薬であるNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬:ひ・すてろいど・せい こうえんしょうやく)は有効ですが、長期の副作用や毎日投与の負担が課題。栄養療法やサプリの位置づけが注目される背景です。
何が「効く」の?カテゴリ別まとめ(要点だけ)
✅ オメガ3強化の療法食
- ポイント:DHA/EPAを配合した食事。
- 結論:臨床的な鎮痛効果が明確。食事に組み込むと量を管理しやすく、腎臓や消化のケアにも寄与する設計が多い。体重管理にもプラス。
- 読み解き:療法食は**“毎日続けやすい”のが最大のメリット。日々のフードを変えるだけ**でケアでき、女性オーナーでも取り入れやすいのが魅力です。
✅ オメガ3系のサプリ
- ポイント:魚油やニュージーランド緑イガイなど。
- 結論:効果ははっきり。無効とされた試験はごく少数。
- 使い方のコツ:DHA/EPA量の表示をチェック。体重あたりの必要量が届く製品を選び、2–3か月は様子を見ましょう(炎症は“静まるのに時間がかかる”ため)。
◯ CBD(カンナビジオール)
- ポイント:犬での研究が増加。猫はエビデンス不足。
- 結論:多くの試験で改善を確認。ただし0.5mg/kg/日の低用量では無効だった報告も(同量でもリポソーム化では効果あり)。用量と製剤がカギ。
- 注意:かかりつけ獣医と必ず相談。他薬との相互作用や法規制は地域で異なります。
△ コラーゲン(UC-II® など)
- 結論:有効性は弱め。少人数・主観評価・統計の弱さなど試験の質の問題もあり、現時点で積極推奨は難しい。
✖ グルコサミン+コンドロイチン
- 結論:効果なしが多数。他カテゴリと比べて有意に劣る。推奨はしないというのが本レビューの立場。
どう選ぶ?やさしい選び方の順番
- まずはフード:オメガ3強化の療法食 → 毎日続けやすく、家計・手間のバランス良。
- サプリで上乗せ:オメガ3サプリでDHA/EPAの目標量に到達。
- 難治なら:CBDを獣医と相談のうえ検討(猫はデータ不足)。
- 避けたい定番:グルコサミン+コンドロイチンは効果乏しい。
ミニTIP:体重管理も“関節の痛み対策”の超王道。療法食は減量の味方にもなります(脂質設計・繊維で満腹感UP)。
しくみを一言で(かんたん解説)
- オメガ3:炎症(えんしょう)を静める脂肪酸(しぼうさん)。EPA/DHAから**解決メディエーター(SPMs:炎症を“終わらせる”方向に働く内因性物質)**が作られ、痛み経路も和らぐ方向に。
- CBD:痛みや炎症の調節に関わる受容体に作用。用量・製剤選びが重要。
- コラーゲン/グルコサミン:理論的な期待はあるものの、臨床データでは効果が弱い〜なしという結論。
よくある質問💁♀️
Q. サプリだけで十分?
A. いいえ。獣医の診断と基礎治療(運動・体重管理・必要に応じて薬)が土台。サプリは“足し算”の選択です。
Q. どれくらいで実感?
A. オメガ3は数週〜数か月で変化に気づく方が多い印象。2–3か月は続けて評価を。研究でも追跡28〜180日と幅がありました。
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注意点(必ず読んでね)
- 本記事は科学論文のまとめです。
- 個別の適応や副作用は年齢・持病・併用薬で変わります。必ず担当の獣医師とご相談ください。
- ここで紹介した結果は信頼度の高い系統的レビューを参考にしていますが、数ある研究の一例でもあります。鵜呑み(うのみに)にせず、あなたの子の状態に合わせてご判断ください。
用語ミニ解説(略語はできるだけやさしく)
- OA=変形性関節症(へんけいせい かんせつしょう)
- NSAIDs=非ステロイド性抗炎症薬(ひ・すてろいど・せい こうえんしょうやく):痛み止めの代表
- DHA/EPA=オメガ3脂肪酸の主成分
- CBD=カンナビジオール:麻由来成分だが精神作用なし
- SPMs=Specialized Pro-Resolving Mediators:炎症を“解決”に導く体内物質
引用・参考文献
Barbeau-Grégoire M, Otis C, Cournoyer A, Moreau M, Lussier B, Troncy E. A 2022 Systematic Review and Meta-Analysis of Enriched Therapeutic Diets and Nutraceuticals in Canine and Feline Osteoarthritis. Int J Mol Sci. 2022;23:10384. DOI: 10.3390/ijms231810384.(要旨と主要結論:オメガ3療法食・サプリ、CBDに有効性。コラーゲンは弱く、グルコサミン+コンドロイチンは非有効)
今日の一歩が、未来の元気をつくります。みんなで愛犬・愛猫の健康寿命を延ばしていきましょう!!
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