👩🦱「運動させたいけど、勉強時間が減って成績が下がったら…」
👨🦱「部活で疲れて、家で机に向かえない…これって逆効果?」
👩「先生が“体育を増やすと学力が…”って心配してた…」
こんな“親のモヤモヤ”**、ありますよね。
でも実は、運動は「学力のジャマ」どころか、少なくとも学力を下げにくい可能性が高い——そんな結論に近づく研究があります。
今回は、「運動(身体活動)が学力(成績)にどう影響するか」を、たくさんの研究をまとめて整理した“総まとめ論文(アンブレラレビュー)”を、やさしく解説します。 Barbosa A 2020
この記事でわかること ✅
- 運動は学力を下げる?下げない?
- 「ちょい運動」と「習慣の運動」で結果が違う?
- 効果が出やすい教科はある?
- 今日からできる“学びを邪魔しない”動き方
まず結論:運動は「学力に悪くない」📌
この論文では、41本の系統的レビュー(SR)・メタ解析をまとめてチェック。
その結果、運動(身体活動:PA)は
- 成績(学力)に悪影響はほぼなし
- むしろ小〜中くらいのプラス効果が出ることもある
というまとめ方でした。 Barbosa A 2020
さらにポイントはここ👇
- 習慣的(長期)的な運動=プラス効果が出やすい
- 単発(短期)で1回だけの運動=明確なメリットは出にくい Barbosa A 2020
「単発の運動」より「習慣の運動」が強い理由 🧠
論文内では、メタ解析の結果として
- 単発=その日1回の運動:効果はほぼゼロ寄り
- 習慣=数週間〜数か月の継続:小さめだけどプラス
が示されています。 Barbosa A 2020 Barbosa A 2020
イメージとしては、
🌱単発の運動:その場の集中が少し変わることはあっても、テスト結果まで動かすのは難しい
🌳習慣の運動:体力・気分・集中の土台が整って、学びに“じわ効き”
…という感じです。
効果はどれくらい?「効果量」を超ざっくり解説
研究では「効果量(Effect Size:ES)」で、差の大きさを数値で表します。
この総まとめでは、全体として小〜中程度の効果が多い、という結論です。 Barbosa A 2020
たとえばメタ解析では、全体の効果量が
- g=0.28(小〜中) Barbosa A 2020
- d=0.367(小〜中) Barbosa A 2020
のように報告されています。
※「0.2=小、0.5=中、0.8=大」くらいの感覚でOK(ざっくり!)。
つまり、“劇的に成績が爆上がり”ではないけど、邪魔にはなりにくく、プラスもあり得るという現実的なラインです。
教科で差はある?「算数・数学」がやや強めかも
この論文では、教科別の結果も整理されています。
とくに数学(算数)は、研究される回数が多く、プラスが出る報告もそれなりにある一方で、ゼロの研究もあり「一貫して絶対」ではありません。 Barbosa A 2020
また「通学で歩く・自転車(アクティブ通学)」は、数学や言語ではっきりした関連が出にくいという結果もありました。 Barbosa A 2020
じゃあ、どんな運動がよさそう?(現場で使える視点)🏫
この総まとめは「運動の種類で効果が違いそう」とも示唆しています。 Barbosa A 2020
1) 学校の体育(PE)を減らさない ✅
「体育の時間を増やすと学力が落ちる」は、少なくともこの総まとめでは支持されにくい方向です。
むしろ体育の追加で小さなプラスが出る報告もあります。 Barbosa A 2020
2) “ちょい運動休憩”は「10分以上」がヒント ⏱️
教室での動く休憩(アクティブブレイク)について、10分以上で良い結果が出た報告もまとめられています(ただし結論は一枚岩ではない)。 Barbosa A 2020
3) 大事なのは「続く形」💡
単発より継続のほうが成績に結びつきやすい傾向。 Barbosa A 2020
親目線だと、まずはこれ👇
- 週2〜3回でもいいから、固定の曜日にする
- “頑張る運動”より、続く運動
- 女の子(もちろん男の子も)に多い「疲れすぎ」は、強度を落として継続が正解になりやすい
WHOの運動目安も「学びと両立」できる
WHO(世界保健機関)は、5〜17歳に中〜高強度の身体活動を1日60分を推奨しています(MVPA:Moderate-to-Vigorous Physical Activity=中〜高強度活動)。 Barbosa A 2020
この論文の結論は、その方針とケンカしにくい内容です。
略語メモ(英語が出たらここだけ見ればOK)📘
- PA:Physical Activity=身体活動
- PE:Physical Education=体育
- AA:Academic Achievement=学業成績
- AP:Academic Performance=学業成績+関連要素(論文によって定義がゆれる)
- MVPA:中〜高強度活動
- SR:Systematic Review=系統的レビュー
- RCT:Randomized Controlled Trial=無作為化比較試験
- ES:Effect Size=効果量
- SMD:Standardized Mean Difference=標準化平均差
- OR:Odds Ratio=オッズ比
- CI:Confidence Interval=信頼区間
注意点(ここ大事)⚠️
この結果は、できるだけ信頼度の高い研究をまとめた論文を参考にしていますが、あくまで数ある研究の“一例”です。
また、この総まとめに入っているレビューの多くは、方法の質にバラつきがあり、「低い/かなり低い」評価のものも多いと報告されています。 Barbosa A 2020
なので結論はこう👇
- 運動=絶対に成績が上がるではない
- でも運動=学力の敵とも言いにくい
- 「続く形」「疲れすぎない」「生活が整う」が現実的な勝ち筋
不安が強い場合は、睡眠・食事・メンタルの状態も一緒に見て、必要なら学校や専門職に相談してください。
参考文献(引用)
- Barbosa A, Whiting S, Simmonds P, Moreno RS, Mendes R, Breda J. “Physical Activity and Academic Achievement: An Umbrella Review”. Int J Environ Res Public Health. 2020. DOI: 10.3390/ijerph17165972 Barbosa A 2020
今日の一歩が、未来の元気をつくります。みんなで健康寿命を延ばしていきましょう!!
論文情報(著者・年月日・タイトル・DOI)
- 著者:Ana Barbosa, Stephen Whiting, Philippa Simmonds, Rodrigo Scotini Moreno, Romeu Mendes, João Breda
- 受付(Received):2020年7月15日/採択(Accepted):2020年8月12日/公開(Published):2020年8月17日
- タイトル:Physical Activity and Academic Achievement: An Umbrella Review
- DOI:10.3390/ijerph17165972 Barbosa A 2020


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