「階段がつらい」「歩き出しが痛い」「運動したいけど悪化しそうで怖い…」
ひざの痛みって、日常の小さな動作にじわじわ効いてきますよね。😢
でも実は、ひざの変形性膝関節症(OA:osteoarthritis)では、“運動=悪化”ではなく、上手に行うと“痛みや動きやすさが改善する”ことが、たくさんの研究をまとめた信頼性の高いレビューで示されています。Fransen M 2015
この記事では、
✅ 運動でどれくらい変わるの?
✅ 安全性は?痛みが増えない?
✅ 続けると効果は残る?
を、数字つきでわかりやすく解説します。📱✨
そもそも「変形性膝関節症」って治るの?
このレビューでも、「ひざの変形性膝関節症に“治る薬(根本的に治す治療)”は確立していない」と説明されています。Fransen M 2015
だからこそ、国際的なガイドラインでは、薬だけでなく運動療法が重要な選択肢としてすすめられています。Fransen M 2015
この論文(レビュー)は何を調べたの?
この研究は Cochrane(コクラン)という、医療分野で信頼性が高いとされる方法で、複数の研究を統合した「系統的レビュー」です。
- 対象:変形性膝関節症の成人(男女)Fransen M 2015
- 比較:陸上で行う運動(land-based exercise) vs 運動なしFransen M 2015
- 研究数:54研究からデータ抽出Fransen M 2015
- 検索:主要データベースを2013年5月まで検索Fransen M 2015
※このレビューは 2015年 Issue 1として公表(結論は大きく変更なし)。Fransen M 2015
【メイン結果】運動で「痛み」はどれくらい変わった?
✅ 痛み:平均で「12点」ラクになった(0〜100点スケール)
運動をしたグループは、運動しないグループより
痛みが平均12点分(10〜15点)改善しました。Fransen M 2015
- もともとの痛み(対照群平均):44点/100点Fransen M 2015
- 結果:SMD -0.49(痛みが下がる方向)Fransen M 2015
- NNTB 4(3〜5):ざっくり言うと「4人運動すると1人が“はっきり良くなる”」の目安Fransen M 2015
SMDは「標準化平均差」といって、研究ごとに評価方法が違ってもまとめるための指標。数字が大きいほど差が大きい、と考えてOKです。
NNTBは「効果が出るために必要な人数」の目安です。
【メイン結果】動きやすさ(機能)は?
✅ 身体機能:平均で「10点」改善(0〜100点スケール)
運動をしたグループは、日常動作のしやすさ(自己評価)も改善しました。Fransen M 2015
- もともとの機能(対照群平均):38点/100点Fransen M 2015
- 結果:10点改善(8〜13点)Fransen M 2015
- 指標:SMD -0.52(「障害が減る」方向)Fransen M 2015
生活の質(QOL)は上がる?
✅ QOL:平均で「4点」改善(0〜100点スケール)
QOL(quality of life:生活の質)も、小さめだけど有意に改善しました。Fransen M 2015
- 結果:4点改善(2〜5点)Fransen M 2015
- 指標:SMD 0.28Fransen M 2015
安全性は?「運動で悪化しない?」が一番気になるところ…😣
✅ 中止率(途中でやめた人):運動あり・なしで差はほぼなし
運動した人が特別に脱落(やめる)しやすい、という結果ではありませんでした。Fransen M 2015
- OR 0.93(ほぼ同じ)Fransen M 2015
※OR(オッズ比)は「起きやすさの比」。1に近いほど差が小さい、という読み方です。
✅ 有害事象:多くは「ひざ痛・腰痛が増えた」だが、重いものは報告なし
このレビューでは、運動に関連して痛みが増えた(ひざ・腰)という報告はありました。Fransen M 2015
一方で、重い有害事象(serious adverse event)は報告されていませんでした。Fransen M 2015
より詳しい本文でも、報告された有害事象は主に背中・股関節・ひざの痛み増加で、重いものはなかったと整理されています。Fransen M 2015
👉 つまり、「ゼロリスクではないけど、重篤なトラブルは少なく、痛みの増悪に注意しつつ進める」のが現実的です。
効果は続く?(やめたら戻る?)
✅ 2〜6か月後:小さいけど効果が残る
運動直後ほどではないものの、2〜6か月後でも痛みが軽い傾向がありました。Fransen M 2015
- 痛み:6点改善(3〜9点)相当Fransen M 2015
- 機能:3点改善(1〜5点)相当Fransen M 2015
✅ 6か月より先:痛みは「はっきりした差が出ない」ことも
長期では、痛みは統計的に有意ではない(=差があると言い切れない)結果も出ています。Fransen M 2015
ただし機能は、小さめながら改善が続く可能性が示されています。Fransen M 2015
どんな運動が良さそう?(研究で扱われた運動の幅)
研究では、運動内容はいろいろ含まれています。
たとえば 筋力トレーニング(太もも中心)、有酸素、歩行、太極拳(Tai Chi)など。Fransen M 2015
また、運動の“やり方”として
- 個別指導
- 教室形式
- 自宅プログラム
の比較もあり、どの形式でも痛みは改善していました。Fransen M 2015
今日からの実践ヒント(一般的な目安)🏃♀️✨
ここからは論文の「結論」に沿って、安全に始めるためのコツを、医療知識がない方向けにまとめます(※特定の治療を断定するものではありません)。
✅ コツ1:痛みは「0〜10で3以内」を目安に
- その場で痛みが少し増えるのは起こりえます。Fransen M 2015
- ただ、翌日まで強く残る/腫れが増えるなら負荷を下げましょう。
✅ コツ2:まずは「太もも+股関節」から(支える力を作る)
- いきなり長距離ウォーキングより、支える筋肉を育てるほうが続きやすいです。
✅ コツ3:「自宅でもOK」だけど、最初は見てもらえると安心
個別・教室・自宅、どれでも改善が見られています。Fransen M 2015
ただ、フォームが崩れると痛みが出やすいので、最初だけでも専門家にチェックしてもらうと安全です。
注意点(ここは大事)⚠️
- この結果は、信頼性の高い方法で複数研究をまとめたレビューに基づきます。Fransen M 2015
- ただし、研究は運動の種類・強さ・期間がさまざまで、すべての人に同じ効果が出るとは限りません。Fransen M 2015
- また、運動によりひざや腰の痛みが増える報告もあります。Fransen M 2015
→ だからこそ、鵜呑みにせず、痛みや腫れが強い場合・転倒リスクがある場合・持病がある場合は、医師や専門家に相談して進めてください。
まとめ ✅(3分で持ち帰るポイント)
- 運動で痛みは平均12点ラクに(0〜100点)Fransen M 2015
- 動きやすさも平均10点改善Fransen M 2015
- QOLも小さめに改善Fransen M 2015
- 脱落率はほぼ同じで、続けやすさは悪くないFransen M 2015
- 有害事象は主に痛み増加、重いものは報告なしFransen M 2015
- 効果は2〜6か月後も小さく残る可能性Fransen M 2015
論文情報(引用)
Fransen M, McConnell S, Harmer AR, Van der Esch M, Simic M, Bennell KL.
Exercise for osteoarthritis of the knee. Cochrane Database of Systematic Reviews. 2015, Issue 1. Art. No.: CD004376.
DOI: 10.1002/14651858.CD004376.pub3 Fransen M 2015
今日の一歩が、未来の元気をつくります。みんなで健康寿命を延ばしていきましょう!!

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